1983年作品、マイケル・マン監督、スコット・グレン主演。
ボーマン大尉(ユルゲン・プロホノフ)に率いられたドイツ国防軍はルーマニアの小さな城郭に進軍した。 この城の内部はすべて重い石で作られているのに、外側は小粒の石で造られている。 まるで何かを閉じ込めるために建造されたみたいだ。
大尉の部隊は、もうドイツがヨーロッパ並びに全世界を制していると確信しており、その為にもこの山道を守ることを使命としていた。 アレクサンドル (モーガン・シェパード)と名乗る男が、この村には観光客も来ないところだと言うが、逆にボーマンはここにひとがいることに驚いていた。
“キープ”と呼ばれる城の中を案内されボーマンはあることに気がついた。ここは外からの侵入を防ぐためではなく、内側に対して守りがされているのだった。
その中の兵士が、十字架の扉を開け、中の銀を奪おうと企んでした。 仲間とともに、夜に輝いている十字架の扉の中に入って行く二人、銀が必ずあると確信している。 ニッケルなどではないと言うのだった。
しかし、ある穴の中に入って行くと、そこは巨大な空間になっていた、その瞬間何か光るものが突然男を押し、引き上げられた男は上半身を食いちぎられていた。 そして引き上げた男も、吹っ飛ばされ絶命した。
ある雨の夜、グレッケン・トリスメグストゥス(スコット・グレン)は、ショック状態から目覚め、奇妙なスーツケースを手に地中海から黒海ヘ入り、城郭ヘ向かう。 彼は長年、城郭を見守り、しだいに死すべき運命を望むようになる。 彼が待ち受けていた通り、城郭の中で抑えられていたものが、解き放たれた。
そして、犠牲者が絶えないと言うことからSSのカンプファー (ガブリエル・バーン)が派遣されてくる。 彼は一連の犠牲者はパルチザンの仕業と思い込み、村人を見せしめに3人殺す。 そして、中に入って行くと謎の文字が書かれた箇所を見つける。 その文字はルーマニア語ではなかった。 そしてそれを解読するために、ミハイル・フォネスク神父 (ロバート・プロスキー)が言っていた、中世歴史学者でユダヤ人のクザール博士(イアン・マッケラン)と娘のエヴァ(アルバータ・ワトソン)を呼ぶのであった。いったい中には何が封じ込められていたのだろうか?…
しかしやはり同じ体制の間でも、強弱があり、何か虐げられている感じのこの村でした。
ボーマン大尉は、ナチなんですが、終始この村には協力的、というか何かを感じているんです。 そして自分ではどうしようもないところに、典型的なナチの司令官がやってくるところから、物語は進んでいきます。
ガビリエル・バーン演じるカンプファーですが、後年彼は「エンド・オブ・デイズ」http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/5212884.html では、悪魔を演じていますね。
物語は、ナチの穏健派と強硬派、そして学者親子、そして最後に謎の存在のスコット・グレン演じるグレッケンという多極化で進んでいきます。 そして大トリでいよいよ魔物が…という展開ですね。
30年以上前の作品という事を差し引いても、ちょっとこの親玉の造形にもう一つ工夫してほしかったのが、玉にきずでした。
マイケル・マン監督の初期のホラー作品でした。
キープという謎の小城
SSの幹部がやってくる
異変を感じやってきた男
そして現れた怪物