〈第1話「素晴らしい新世界」〉兵役期間のソグ（リュ・スンボム）は、研究担当のひ弱い男。 仲間が散らかしたごみを分別して捨てる役を押し付けられた。 朝から必死に部屋中のごみを片付けてやっと一息つき、実家の方へ帰ろうとした時、捨て忘れた生ごみがあった。 一応却って捨てようと思ったのだが、途中にあった生ごみのＢＯＸに、適当に捨ててしまう。 そのごみは収集所に送られ、リサイクルされ飼料となる。
それは牛が食べ、その牛が牛肉となり、焼肉屋に並ぶ。
ソグはようやく誘えた美人のユミンを焼き肉屋でデートができ、帰り道いい雰囲気になった時、若い二人組に因縁をつけられ、殴られてしまう。 そのとき、彼は何かいつもと違う力が出て二人をのしてしまう。 しかし彼の体に筋が浮かんできてしまう。 やがて、街に未知の怪ウィルスが発生、次々と人間がゾンビ化していく…
<第2話「天上の被造物」〉人間に代わってロボットが労働に従事する近未来。 ある時、仏教寺院のロボット：ＲＵ４型・インミョンが悟りを開き、人間に説法する境地にまで達してしまう。
寺院の高僧（イ・ボンギュ）はロボットメーカーの修理担当者のチーム長トウォン(キム・ガンウ)を呼び、直ちに症状を見に行くが、全く正常だと判断したが、この寺院では、そのロボットＲＵ４は、悟りの境地に達しているとして崇められていた。
担当者が、本来のロボットの役目と放れたことをしているのは障害と思い、取り替えようとするが、女僧侶のヘジュが異を唱える。そして担当者は思い悩み、本社に報告書を上げるのをためらっていた。
しかしＵＲ局長のカン・ソンチュル(ソン・ヨンチャン)と、次世代メンバーのミン・ユニは人類の脅威とみなしてそのロボットを解体しようと寺院に乗り込んでくる。しかし、ロボットを師と仰ぐ僧侶たちが反発、やがて争いに発展していく…
<第3話「ハッピー・バースデイ」〉父親のお気に入りのビリヤードの8番ボールを壊してしまった小学生の女の子・ミンソ（チン・ジヒ）は必死に叔父の部屋に籠り、ネットで８番ボールを注文しようとしていた。
しかし父が部屋にに入って来たので、傷ついた８番ボールを窓から投げ捨て、怪しげなサイトに新しいボールを注文してしまった。 そして転がった８番ボールは道路に開いた穴に吸い込まれてしまった。
その2年後、謎の惑星が地球に接近を始め、あとわずかで地球に衝突すると報道される。 女の子と家族たちは地下のシェルターに避難するが、どうやらその惑星は女の子が注文したボールのようで……。
韓国のオムニバスＳＦ作品、テーマは、ゾンビ、ロボット（アンドロイド）、隕石でした。 この題名の英訳は「Doomsday Book」という事ですが、人間の未来の姿を、二人の監督が描いているというお話？
イム・ピルソンが１、３話で、キム・ジウンが２話を担当しています。
ゾンビを描いた近未来こそ通常のゾンビ映画ですが、ゾンビになるのが、リサイクルがらみというのがちょっと辛い展開ですね。 ましてやちょっとだけ混入したあるものというのは？（たしかそうだったような）
生ごみって、飼料になるんでしたっけ？ 調べてみると、やはりそういう取り組みを各所で行われています。 考え方としては、動物に食べさせるか、植物のたい肥にするかですね。 こうなると人間も食物連鎖の輪の中なので、逃げれないですね。
また、隕石編は地球最後の日の直前の韓国人の姿が見れるのと、ネットで軽く買ってしまうと、強烈なしっぺ返しが（＾＾）でしたね。 一番地味な作品ですが、ラストにペ・ドゥナが出てくるのが良いですね。 彼女はもっと見たいです。
私はなんといっても第２話でした。 これは究極でしたね。 人間の余計な部分を削ぎ取ったアンドロイドが、あっさり悟ってしまう。 人間と立場が逆転し、世界を制覇してしまうＳＦは多々ありますが、ならば宗教の世界に深く入ったら、人間以上の崇高な悟りが開け、仏にいち早くなれるという何とも皮肉な作品でした。
そしてラストの展開は誰もがひれ伏すシーンでした。
なかなか面白い３話のオムニバスでした。
やっと誘えた女の子、しかしその肉に
崇高な存在に
