anttiorbの映画、映像の世界

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サヨナラの代わりに

2014年作品、ジョージ・C・ウルフ監督、ヒラリー・スワンク主演。

弁護士の夫エヴァン(ジョシュ・デュアメル)や友人たちに囲まれながら、充実した日々を過ごしていたケイト(ヒラリー・スワンク)。 主婦として、そしてデザインの仕事も順調、夫と出会って15年、今日は、35歳の彼女の誕生日パーティーだった。
何か食事を買っておこうとしたエヴァンだが、料理が好きな彼女は自分でしっかり作ろうとしていた。 でもその時、急に右手が滑って、皿を割ってしまう。
パーティーは盛り上がって、みんなからピアノを弾いてほしいと言われる。しばらく弾いていなかったので嫌がるケイトだったが、彼女は今までしなかったミスをした。 みんなはちょっとミスったと思った程度だったが、彼女自身は初めて身体に異変を感じるのだった。
そして 1年半がたった。 彼女は、難病・筋委縮側索硬化症(ALS)と診断され、車椅子生活となっていた。 彼女は人生のすべてが変わってしまっていたのだった。
夫のエヴァンは甲斐甲斐しくケイトの面倒を見る。 出勤前の時間ぎりぎりまで見ていて、介護の女性に引き継ぐはずだった。 しかしケイトは介護人を解雇をしてしまっていた。 しっかりした女性だったが、彼女の言うことを一切聞いてくれないからだった。
もう新しい女性の面接を決めていたケイトだったが、面接に来たのは外で平気でタバコに火をつける大学生ベック(エミー・ロッサム)だった。 自由奔放に生きている感じの、ちょっと言葉使いの荒い女性だった。
彼女は料理も全くダメ、気を使うということを知らない女性で、夜はミュージシャン志望の彼女は、ライブハウスで歌おうとするのだが、緊張のあまり酔ってしまい歌が歌えないのだった。 さらに大学教授と不倫をしていて、SEXもあまり締まりがない。
でも、そんなベックをケイトは気に入り、彼女を雇うことにする。 しかし毎日遅刻、なかなか大変な毎日が始まった。 
そんな時、ケイトは女友達を招いた女子会をすることになった。 その日はエヴァンも、男友達と会いに行くという。
しかし彼女は何かを感じ、夜ひとりの時、階段のところに一人で行き、そして…

ALSは日本語の病名は“筋萎縮性側索硬化症”で、世界的に有名なのは、MLBの往年の名選手ルー・ゲーリックが発症し、この病気が彼の名前が別名になっているくらいです。 作品中にもそういうシーンがありました。
またこの病気にかかった有名人としてはスティーヴン・ホーキング博士がいて、この春には 「博士と彼女のセオリー」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/12826035.html も日本公開されています。
今作品もそうですが、この病気はある日兆候が表れ、しびれが起き、そしてだんだん体のいうことが効かなくなってくるという恐ろしい病気ですね。 
ただ、その後長生きする患者の方もいるようですが、それでも呼吸器を喉につけたり、周りの介護は絶対必要な難病ですね。 完治するという事は無く、治療法もなく、病気の進行を遅らせるくらいしか方法が無いとてもつらい病気ですね。
癌を取り上げた作品も多いですが、発症率が少なくても、治療法のない難病はまだまだ多いことを痛感します。
今作では、ヒラリー・スワンクが、この病気にある日突然なってしまう主人公のケイトを演じていましたが、活動的な役と風貌の彼女が演じたのはかえって、インパクトがあったのかもしれませんね。
自分の体をうまく動かせない患者に対して、家族や、介護者が世話を焼くのは当然だと思うんですが、逆にされる方って意外にデリケートなんですよね。 私も経験がありますし、どうやら私はそういうのには適さなかった感じの体験があります。
される方も、気遣いをわかっているけど、遠ざけてしまう。 そういういたたまれない気持ちが存在するらしくて、なかなか世話をする方には伝わりづらい、難しい感情みたいですね。
ケイトも献身的な夫に対して、そういうやるせない思いがあったところ、夫の裏切りから爆発してしまうんですね。
そこに現れたがさつなベックは、気を使わない自然体が良かったんでしょうね。 でもだんだん彼女さえも慣れて来るにしたがって、同じ感情になっていくのは皮肉ですね。
治らない病気の作品は観ていて辛いですが、せめて苦しまないで見送ってあげたいと思ってしまう物語でした。

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パーティーの準備をするケイト

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AJSを発症して夫と

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そしてケイトと知り合う

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今までとは違うメンバーとパーティー

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ベックに告白するウィル

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