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ぼくたちの家族

2014年作品、石井裕也監督、妻夫木聡、池松荘亮、原田美枝子長塚京三出演。

玲子(原田美枝子)は友達とお茶をしていた時、突然変なことを思い出し、口に出してしまう。 いきなり話が飛んで、友達たちは変な展開に驚くが、すぐにその場を取り成した玲子。
ハワイ土産を貰い、吉祥寺から電車に乗り家路につく玲子、けっこうな距離を乗っていた。
夫の若菜克明(長塚京三)は小さいながら会社を経営している。 家に帰ると暗い中、玲子がぼおっと坐っていた。 食事の支度もしていない、先に風呂に入ってと言われたので、言われた通り先に風呂を済ます。
その時、長男の浩介(妻夫木聡)に子供ができたと電話が入る。 しかしその言葉がすぐに出てこない玲子。 孝助の妻・深雪(黒川芽以)は妊娠中でちょっと具合がよくないので、浩介との会話が少なくなっている。
玲子がフラダンスを歌いながら踊っていると、克明は一度ハワイに連れて行ってやると言う。 喜ぶ玲子、そして子供ができたお祝いに一度、深雪の両親と一緒に食事をしようと言いだす克明だった。
次男の俊平(池松壮亮)から電話があった。 玲子だけに頼むこと、それはお金の無心だった。 断るわけの無い玲子は、俊平に会いに行く。 そこで浩介に子供ができたことを話すが、もう一つ玲子はあることを言う。「最近物忘れがひどい」しかし見た目は異状は見られない玲子だが。
深雪の両親と6人での食事の時に異常は起こった。 玲子が急に変なことを口走りはじめ、その自覚がないのだった。 必死にその場を取り繕おうとして、深雪を“ミチル”と言ってしまう。 更に家族がバラバラになると大声を出し始めてしまう。
さすがに浩介も克明も異常に気がつき、次の日玲子を二人で病院に連れて行くことになった。 自分がどこに行くのかが分からない玲子、そして長い時間待って、CTの検査結果が出た。
脳に白い影があると言われ、7つ見られる。 一番大きなものはピンポン玉大だった。 それが脳を圧迫し、記憶に影響が出ていると言うことだった。 その時、玲子が絶叫した。 そしてさらに検査を、するため克明と玲子が出て行ったあと、残った浩介は医師から脳腫瘍で間違いない、1週間が山と言われる。 家族に衝撃が走るのだった…

忘れっぽい、それだけで検査をして余命1週間と言われたら、家族が絶望的になる姿が生々しいですね。 ちょっと昔を思い出して、イタイ作品でした。
一番取り乱すのが本人よりも、父の克明、そして必死に冷静さを保とうとするのが浩介、一番現実を受け止めていて、いざという時行動するのが俊平でした。
玲子は、大分記憶障害がひどくなる前に、一番心配していたのは、家族がバラバラになるということでした。 検査中も同じことを口走ります。
初めに、この診断をした病院は、1週間という期限を言い渡した後、だんだん治療の施しようがないと言い出します。 更に父の借金問題が明るみに出てきます。
しかしここからが本当の家族の戦いが始まります。
登場人物は4人を中心に、後はその周りと、医師たちですし、この家族の物語なので当然と言えば当然なんですが、その少なさが見ている方にも窮屈感が漂います。
石井監督は「舟を編むhttp://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/9132432.html で多くの賞を受賞した後の作品でした。 地味ですが爽やかさがあった前作と比べると、重いですね。
ラストはちょっと日が射すんですが、逆にそこがこの作品のちょっとふわっとした感じになってしまっています。 要するに現実感がちょっと薄れるんですね。
母の病気から家族がもう一度再生する物語ではありますが、結末のリアリティが、ちょっとかけてたような感じを受けそれだけが残念でした。

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今までたったひとりで家族を繋ぎとめていた玲子

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玲子の異変で病院に

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衝撃的な宣告を受け、取り乱す家族

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家族のいる時は安定している玲子だが

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次男の俊平、ここ一番彼が頑張る

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