anttiorbの映画、映像の世界

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アメリカン・スナイパー


ここはイラク、向こう側のビルの屋上に男が現れた。 男は携帯で電話をしている。 スナイパーのクリス(ブラッドリー・クーパー)は、判断を任された。 しかしすぐに男はビルの内部に消える。
入れ替わるように、ビルに入り口から女と子供が出てきた。 そして女は、子供に、対戦車爆薬のようなものを渡した。 このままだと味方の部隊がやられてしまう!!!
クリス・カイルは父から狩りを教わった。 なかなか筋が良いと言われるが、仕留めた鹿の様子を見に行くときライフルを置いたのをしかられた。 銃は肌身離さず持っていろと言われた。 そして父親は 「お前は弱い羊達を守るシープドッグになれ、狼にはなるな」 とクリスに教えるのだった。そして時は経ち、クリスは、弟とカーボーイをしていたが、1998年にアメリカ大使館爆破事件をテレビで見たカイルは、愛国心から海軍に志願する。
そしてテロリストの行為に彼はさらに米海軍特殊部隊ネイビー・シールズを志願する。 過酷な訓練の途中、彼は酒場である女と会った。
後の妻となるタヤ(シエナ・ミラー)だった。 彼女は、身持ちが固く酒場で声をかけられても、男など信用しない女だった。 でもクリスには何か違ったものを感じ、二人の付き合いが始まる。
クリスとタヤは結婚することになった。 そしてクリスは無事訓練を全うしシールズになった。 幸せな結婚生活が始まった二人だったが、そんな時、2001年9月11日、国際貿易センタービルが、テロリストによって崩れ落ちた。アメリカ国民が泣いて憤った日だった。 そして世界が凍りついた日でもあった。
そして初めての任務地イラクに向かうクリス。 ビルから出てきた少年と、女を狙撃したクリスは、間一髪仲間を爆弾から救ったのだった。 その功績はすぐにアメリカ軍部隊に伝わった。 仲間から讃えられるクリスだったが、初めて人を殺したことと、撃った相手が女と子供だったのが、さすがに彼にも堪えていた。
しかし彼の狙撃の精度は抜群だった。 その後もテロリストたちから仲間を守るために彼はスナイパーとして、狙いをつけ撃った。 そしていつしか彼は「レジェンド」と呼ばれるようになった。 しかし相手にも彼の優るとも劣らない狙撃種がいたのだった…

クリント・イーストウッド監督、前作の「ジャージー・ボーイズhttp://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/12211585.html からうって変わった過酷な作品でした。
クリス・カイルも実在の人物で、本当に160人ものイラク人を射殺したと言われる伝説の人物であり、劇中でも触れられていますが実際は「ラマディの悪魔」と呼ばれ、イラクから恐れられ、そして首には賞金さえかかっていたということです。
作品中彼は一貫して、海軍の仲間を武装勢力テロリストたちから守るために撃つと言っています。 そして戦闘の話は決して家族には口を開きません。しかし戦闘中に、気軽に?妻と衛星回線で会話をするんですね。 特に妊娠中の妻には、戦闘地域でこれから撃ちあいが始まるときにも電話をかけるんですね。
彼は幼少期に、狩りの訓練を父に教わってい たことと、弱いもの、家族を守る存在を教えられたことから、忠実にシープドッグの役割を果たそうとしていたんでしょう、そう見えます。
しかし2回、3回と、イラクに派遣される中、何か別の感情が芽生え始めます。
でもある目的のため彼はそれを果たすためイラクに向かい続けますし、戦闘に参加していくんですね。
このイラク戦争が、いまのISILとの泥沼の戦いに発展していることは、もう誰の目に明らかになっています。 そしてそのイラク戦争に突入していったきっかけが9.11です。
しかしその9.11を起こさせたのは?
中東は難しい地域だと思いますし、イスラムの教えは日本人にはなかなか全体を理解するのは難しいかもしれません。 でもこの作品は、力でねじ伏せることが本当に正しいのか?ほんのわずかその部分に触れていました。
もし今のISILをアメリカを中心とした勢力が鎮圧しても、それが本当に終わりなのか? 何かエンドレスな血みどろの戦いにも唸ってしまった部分をこの作品から感じました。
ラストもやりきれないエンディングでしたね。
こういう作品がアカデミー作品賞候補になるんですね。

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戦闘地に入ったクリス

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優れたスナイパーのクリス

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亡くなった仲間の棺

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任務が終わり出迎えるタヤ

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娘との幸せなひと時・・・

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