アフリカのセネガルからフランスに来て10年、様々な仕事を経験してきた青年サンバ(オマール・シー)、今は調理場で皿洗いをしている。 彼の夢は調理師の資格を取って、故郷に家を建てること。 しかし、ある日突然、ビザの失効により国外退去命令が出される。
移民支援協会ボランティアのアリス(シャルロット・ゲンズブール)は、法学生マニュ(イジア・イジュラン)に連れられ、問題を抱えている移民たちの世話に連れてこられた。 あらゆる国から移民として来た多くの人たちは、国内にとどまることが厳しい環境の者が多い。 手続きをしようと書類で申請を出しても、時間がかかったり、却下されてしまう。
そこに、サンバが現れた。 アリスとマニュは、彼の担当となり、彼の資料の整理、そして今住んでいるところ、いまの職場などを確認した。 マニュは忙しく別の相談者のところに行ってしまったが、アリスは、お腹が空いたと言うサンバに食べ物を与えようとした時、おびただしい薬がバッグから出てくる。彼女は実は鬱病で、職場を休業しているのだった。 その間にボランティアをしているのだった。 本来は教えない電話番号をサンバに教えてしまうアリスだった。
臨時の収容所に入ったサンバは、同室のジョナス(イサカ・サワドゴ)と話が合った。彼はコンゴから来ていたが、この収容所で10日も留まっている。 彼は結婚を約束した彼女がいて、この国で結婚したいと思っている。 しかし2年間 も会っていない。 彼女は美容室で働いていて、会いに行こうと思っていたら、ここに収容させられた。
暫くするとサンバは、外に出ることを許された。 しかし、帰国義務という立場での釈放だった。
再びボランティアの協会に行くサンバに、アリスは面談を買って出るが、サンバは不安定な自分の立場にいら立ち、彼女に怒鳴ってしまう。 しかし彼女はサンバ以上に激怒し、怒りを爆発させてしまう。
サンバは成功することなく、帰国してしまうのか?…
「最強のふたり」http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/7542617.htmlのエリック・トレダノ 、 オリヴィエ・ナカシュの最新作。 今年最後の鑑賞作品は、これでした。
今回もオマール・シーが主演ですが、彼の作品でのパートナーは、シャルロット・ゲンズブール。 彼女の作品は、最近では「最終目的地」http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/8990390.html を見ましたが、彼女は、実に作品中どんどん相が変わっていくんですね。
初めの姿はいかにも病的で、疲れた中年女の顔なんですが、だんだんサンバと接していくと、顔つきが変わり、美しくなっていくんですね。
サンバだけでなく、ジョナスや、タハール・ラヒム演じるウィルソン、みんな日雇いの仕事を奪い合い、そしていつかは夢を叶えると言う希望を持っているんですが、多くはかなうことなく国外に退去させられるんですね。 そして絶えず 警官に怯えて暮らしています。
サンバのおじが強く言うシーン「スーツを着ろ、目立つ行動をするな、地下鉄には乗るな、夜はバスに乗れ」そうでもしないと職質を受けて、また収容所に行かされてしまいます。
サンバがどうなるかは、見ていただくとわかりますが、彼は持ち前の明るさと、優しい心が自分を救いましたね。 そんなサンバをまたオマール・シーが好演していました。
アリスとマニュの前に現れたサンバ
いったん釈放されデパートの警備の仕事中に
同じ移民仲間のウィルソンと出会う
しかし長く続けられない生活に再び会ったアリスに感情をぶつける
裸足で逃げだしたり
でも二人はお互い、癒される存在だった
今年の映画記事は最後です。
後ほど、今年心の残った劇場鑑賞作品をやります。 ちょっと多くなってしまいました(^^)