頭に電流を流され、拷問を受ける男、 「絶対に言うもんか!」 必死に耐える男。 気絶した男に駆け寄る一匹の犬、目を覚ました男は楼を抜け出し、美女を救い出し華麗に脱出する。
という映画を観に劇場は超満員だった。
1927年、サイレント映画全盛のハリウッド。 大スター、ジョージ・ヴァレンティン(ジャン・デュジャルダン)は、共演した愛犬とともに新作 「ロシアの陰謀」 の舞台挨拶で拍手喝采を浴びていた。 ジョージは乗っていた。 しかし、ちょっと鼻につくところも目立って来たいたのだが。
熱狂する観客たちで映画館前は大混乱となり、財布を落とした女性が、拾おうとしてジョージを突き飛ばしてしまう。 それでも優しく微笑むジョージに感激した彼女は、大胆にも憧れの大スターの頬にキス。 その瞬間を捉えた写真は、翌日の新聞の一面を飾ってしまい、 「いったい彼女は誰?」 の見出しさえついてしまうのだった。
翌日その新聞を見て、妻のドリス(ペネロープ・アン・ミラー)はたいそう不機嫌になってしまう。
早速彼女は自分の載っている新聞でアピールするのだが、そんなものは通用しない。 でも、持ち前のダンスとやる気で、彼女はジョージ主演作のエキストラ役を獲得するのだった。
背景の絵の裏でダンスのふりをしているペピー。 その足をみんなが見ていた。 ジョージはこっそりと背景の絵を動かし、びっくりさせる。 しかし社長のアル・ジマー(ジョン・グッドマン)に怒鳴られてしまうペピー。 でも彼女の事が気になりだしたジョージでもあった。
次のホールでの多くのエキストラのダンスシーンでも、何気に彼女に近づこうとするジョージだった。 撮影がすすまない。 NGを連発してしまうはめになってしまった。
「雨に唄えば」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/11284675.html もちょうどサイレントから時代が変わる時を描いた作品でしたが、この最近撮ったサイレント映画のこの作品、見ごたえがありますね。
ほとんどのシーンがモノクロで、声が無く、音楽とたまにはいるセリフのみ。 しかしちゃんと物語は進んで行き、逆に画面に集中させられてしまう、素晴らしい現代のサイレント作品でした。
主演のジャン・デュジャルダンが古臭い作りの俳優を味のある魅力で演じていましたが、「ウルフ・オブ・ウォールストリート」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/11039798.html では、面白い役で出ていたことを思い出しました。
またベレニス・ベジョが可愛いですね。 恩、それを超える恋なのかもしれませんが、時代にのった彼女が、対照的に時代にのりきれなかったジョージを必死に守ろうとするところは、感動しちゃいますね。
彼女は 「タイピスト!」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/11099895.html でも、良い役どころで登場していました。 アカデミー賞5部門を取った名作でしたね。
絶頂期のジョージ
ベビーは女優志望、偶然載った新聞を持ちいざオーディションへ
アル・ジマー社長、時代の移り変わりを感じている
そして時代に取り残されていくジョージ
こうして二人が一緒にスクリーンに出られる日が来るのだろうか?