一人ぽつんと座っている男、近づいてくる人相の悪い男たち、その間に男の子がいる。 男の一人が、座っている男の脇差を取って来いと言う。 男の子はこっそりと近づき座っている男から脇差を取ってきた。 脇差ではなく杖だった。 そう男は目が見えないのだった。
盲目の男・市(ビートたけし)に近づき 「これさえなければお前は終わりだ」 といい終わらないうちに、すかさず杖から刃が光り次の瞬間二人は切られていた。 残りの男たちは蜘蛛の子を散らすように逃げ去った。
茶店で茶を飲んでいる娘二人、彼女たちは鳴門屋という店の子供たちだったが、ある事情で三味線と踊りの流しの芸者で生計を立てていた。 彼女たちは親の仇を探していたのだった。 店を裏切り店の金を盗まれ、殺された両親の仇を。
野菜を売っているおうめ(大楠道代)、に銀蔵(岸部一徳)、一家手下どもが不当な場所代を脅し取ろうとしている。 金髪頭に朱塗りの杖を持った盲目の按摩・座頭の市はおうめの家に厄介になっていて、彼らのの悪行の数々を聞かされる。
その息子は博打に明け暮れている、甲斐性無しの男・新吉(ガダルカナル・タカ)だ。 しかし新吉と賭場で知り合った二人は、市が勝った金で芸者をあげようとして、流しのふたり姉弟・おきぬ(大家由祐子)とおせい(橘大五郎)と知り合い事情を聞くのだった。
おせいは実は男で、踊りが上手く色白で幼いころから細身で綺麗だった。 しかし銀蔵一家には腕の立つ浪人・服部源之助(浅野忠信)がいるのだった。 市は銀蔵一家と戦わねばならないと感じ始めるのだっ た…
有名なタップダンスのシーン、さらに畑を耕しながらリズムを取るところなど、北野監督ならではの笑いのシーン。 独自の脚色がなされており、殺伐とした中にも楽しませてくれる、数少ないたけしワールドの時代劇ですね。
銀蔵を操っている、くちなわの親分の正体や、さらにそれを操っている男などの設定は大変面白く (まあくちなわの親分は声でわかってしまいますが) 二重の落ちを作るところは憎い演出でした。
さらに市の設定もオチがあり、この辺も勝進とは違う座頭市ということで北野監督ならではでしたね。
もちろん勝新の市が好き な人にはいろいろご意見があるでしょうが、私はこれもありかなと思います。
隙のない市
仇を狙っている姉妹
事情を聞き助けを買って出る市
そしてぶつかる二人
大団円