巷では、赤穂浪士が切腹させられた主君、浅野内匠頭の仇を討つかどうかが大きな関心ごととなっていたが、この長屋では、信州松本から江戸に出てきた若者、青木宗左衛門(岡田准一)が貧乏長屋に腰を据えて、2年が経とうとしていた。
宗左は剣術師範だった父を斬り、江戸へ逃亡した金沢十兵衛を捜して町を回るが、一向に見つけられない。 仇討ちが上手くいけば百両は報奨金がもらえるが、今では里からの仕送りも途絶えがちだ。
宗左の向かいには美しい未亡人・おさえ(宮沢りえ)とその息子・進之助が住んでおり、宗左はおさえにほのかな恋心を抱いていた。
この長屋は、それぞれ、曰くつきの住人と、逆に人生を捨てたような吹き溜まりの住人が混在している。 そしてその中には、浅野内匠頭の仇を討とうとする赤穂の侍も潜んでいた。 治療院の看板を掲げた首領格・小野寺十内(原田芳雄)のもとに患者を装って集まる男たちは、いっこうに仇を討とうとしない宗左は吉良側の間者ではないかと疑ってもいた。
この長屋の大家は伊勢勘(國村隼)という男で、冷たいようで、それでもどこからか流れ着いた住人を目こぼしをしている。 長屋の遊び人・そで吉(加瀬亮)は、一向に仇討に腰を上げない宗左衛門を、小ばかにしていたし、本当に敵を討つ気があるか疑っていた。 そして以前かたき討ちをしようとして却って殺された男の話をする。
宗左衛門は、長屋の子に読み書きを教えている。 実はそれが一番楽しみを感じているのだった。 そして請われると、剣術も指南するのだが、ある日、そで吉が因縁をつけてくる。 自分と勝負して見ろと言われ、武士として受けざるを得なくなる宗左衛門。
しかしこてんこてんにやられる宗左衛門、それを進之助が見ていた。 宗左衛門を慕って いた進之助にはショックな出来事だった。
そんなある日、宗左衛門は父の仇を見つけてしまうのだった…
「誰も知らない」http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/10324995.htmlと「歩いても歩いても」の間に撮られた時代劇。
是枝作品の時代劇は珍しいですね。 そして出ている出演者が、吉本勢が多いんですね。 また、いま脚光を浴びている役者や芸人も多く出ていて、いま撮ろうと思うと、スケジュールが大変だろうという顔ぶれですね。
また主演の岡田准一も、いまでこそ時代劇をやらせても問題ないですが、当時は結構挑戦的な役だったイメージですね。 ちょっと浮いている感が残っています。
作風は現代調で、あまり時代劇を感じさせません。 討ち入りとひっかけていますが、あまり接点はないですね。
しかしところどころに大物を配置するあたりは監督の力量かもしれませんね。
仇討の相手を探して2年
同じ長屋のおさえと進之介
吹き溜まりのような長屋の住人達
この親子と仲のいい宗左衛門
しかし宗左衛門は仇を見つけてしまう