anttiorbの映画、映像の世界

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それでもボクはやってない

2007年作品、周防正行監督、加瀬亮瀬戸朝香役所広司山本耕史出演。
 
満員電車で痴漢に合う。 女性としては耐えられない行為で、なかなか立証ができない。 勇気をもって捕まえるしかない。 今日もそんな騒ぎが二つあった。
中年の男は、始め頑強に否定していたが、急に態度を変えた。 それは、手から女性の下着とおんなじ繊維が出るかどうかのテストをされた瞬間だった。 取調べの担当刑事の山田好二(大森南朋)は、そんな感じで男から自白を引き出した。
もう一つは、就職活動中で会社面接に向かう途中の金子徹平(加瀬亮)という青年だった。 本日2件目の取り調べになりそうだった。 被害者の女子高校生は、泣きながら話をしている。 山田は威圧的な取り調べをした。その態度に圧倒されている徹平だが、彼はやっていないと言い張るが勝手に筋書きを作られ始めていた。 そして山田は言う 「お前は被害者に現行犯逮捕されたんだよ」 多少、せりふを変えられたが、彼は書類に署名をしてしまった。 そして正直に言えば罰金刑で済むとまで言われた。
その日は留置場に入れられた。 そこには数人の男たちがいた。 三井秀男(本田博太郎)がやけに親切に教えてくれた。 何もやっていないなら弁護士を呼ぶんだと。 すぐに呼んだが、明日になると冷たく看守に言われる。
次の日来た当番弁護士の浜田(田中哲司)に対して、徹平はやっていないと訴える。 「君は迷惑防止条例違反となっている。 今までの事の経過を話して」 と言われる。 徹平は思い出すように昨日の朝からの行動を放し始めた。
この日は大事な面接だったが、途中履歴書を忘れたことに気がついて途中下車した。 結局なくて乗り直した電車で起きた出来事だった。 スーツがドアに引っかかったことから動いたのを数人から不審に思われ、その後女子高校生から訴えられ、駅事務室に連れて行かれ、有無を言わさず警察署に移動されたとのことだった。 
しかし、隣に乗っていた女性は事務室まで来てくれて、この人は無実と言ってくれたが、そんな証人を事務員は返してしまった。 
弁護士は驚くべきことを言った。 痴漢は裁判になれば負ける、示談にすれば罰金で済む。 徹平は耳を疑った。 「俺はやってないんだ」 そう吐き捨てると、弁護士は思い直すように 「そうだね。 じゃあ何かあったら呼ぶように」 と名刺をくれた。
すぐ正直にやってないと言えば終わると思っていた徹平だったが、これから長い戦いが始まるのであった・・・
 
痴漢という卑劣な犯罪があります。 私も小学生の時、痴漢と言うか、変質者と同じ車両に乗ったことがあります。 たまたま、男女4人で電車に乗って友達に会いに行ったときのことで、2人の同級生の女の子は怖がって車両を移動して行きました。
そういう行為をやった者に対しては、それなりの報いを受けるのは当然だと思いますが、あまりにも込み合う首都圏の通勤ラッシュ、冤罪もあるのではないでしょうか? 痴漢だけでなく、喧嘩もありますし、絡まれたこともあります。 しかしこの作品は憤りを感じますね。
実際この主人公はやっていないんですからね。 駅員も刑事も検察官もそして、たいして見てない証人も、実に無責任で、保身しか考えていません。 一人に擦り付ければ自分の身に何も起こらない。 そんな小さいエゴの積み重ねが一人の冤罪の犠牲者を作っていきます。
裁判の現場に実際行くと、被告が証言するのは結構プレッシャーですよね。 ある企業の倒産した時の裁判を見たことがありますが、進行自体は実に淡々としていますが、意見を言うことはほとんどできないんですよね。
これも事実をもとにした作品ですが、くだらない面子、人の一生を左右しかねない犯罪者かどうかの判断は、しっかりしてもらいたいと強く思った作品でした。
 
ちなみに私は、そういう冤罪を避けるためになるべく混まない時間に電車に乗りますし、混んでいる時間に乗っても女性の近くには寄らないように、そしてなるべく背ににするようにしています。 恐いですねこの作品は。
 
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金子は捕まってしまう
 
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威圧的な取り調べ
 
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本格的な弁護士がやっと来てくれた
 
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そして裁判が始まる
 
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必死に戦うのだが…
 
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