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東京難民

2014年作品、佐々部清監督、中村蒼主演。
 
時枝修(中村蒼)はこれから大学に行こうという時、配達証明郵便が来た。 何も考えず受け取った修は、封も切らず大学に向かった。 多摩にある3流大学に通っている彼は、普通の大学生、やる気も特になく、でも大学は一応卒業しなきゃくらいに思っている。
その日はICカード式の学生証を、授業を受ける部屋にタッチした時エラーが出た。 学生課に行き問い合わせをしたところ驚くべきことを言われる。 「君は授業料の支払いが無く、除籍になっている」 焦った修は、すぐに払えば復学できるのかと聞くが、職員は即答はできないという。 そしてらちが明かなかい彼は 「こんな大学退学してやる」 と言い放つが、「君はもう除籍になっているよ」 と言われてしまうのだった。
修は実家に行ってみた。 父は、母が亡くなった後、外人の愛人を家に囲いこんでいた。 そんなことがあって東京の大学に行ったのでもあった。 しかし家でやっていた事務所は差押えの紙が貼られていた。 2階から部屋に入ってみたが、父の姿はなかった。 部屋の中は荒れていた。
家に帰ると、不動産屋の荒木(吹越満)が来た。 この部屋の使用料が未払いなので今日で立ち退いて欲しいと言われる修。 そんないきなりと言うが、先日内容証明付きの郵便を受け取っているはずと言われてしまう。 実はこの部屋は賃貸契約ではなく、この部屋の鍵の利用契約なのだ。 そのため敷金礼金が無い格安物件なのだと言われる。
2日間の猶予を貰い、連絡がつく友人に金を貸してほしいと言うが、誰からもいい返事はない。 アルバイトを始めようと町に出る修。 しかし帰ってくると、もう鍵は変えられていた。 干してあったビンテージもののジーンズだけ何とか手に入れ売りに行くが、買った時の1割にしかならなかった。 いったいこれから自分はどうなるのか、その日からネットカフェが自分の住処になっていくのだが・・・
 
これは怖い話ですね。いろんな事情はあるんでしょうが、いろいろな環境からいわゆるネットカフェ難民になってしまう人が多いことはニュースで報道されていますが、それがリアルに描かれていました。
ここで描かれている修は、家を嫌い、遠く離れた東京で気ままな大学生活をしています。 しかしそれは甘ったれな大学生でしかないんですね。 嫌いなはずの父の援助無くしては彼は存在できない、それが父の蒸発からすべてが彼の周りから無くなっていきます。 リアルでした。
冒頭部の修には、あまりの世間知らず、あまりのわがまま、自分勝手に全く同情できないんですが、ホストクラブに潜り込むところから、だんだん彼を応援している自分がいました。 それは彼が必死になっていく姿と、被っていました。
最後に自分と係り合った人を振り返るシーンがあるんですが、ここは象徴的でした。 自分に関わった人たちは、良い人も悪い人もいましたが、それをひっくるめて自分の人生なんだと認めることから、修の再生が始まる。それは人生諦めることではなく、今までの自分の甘さを認め、考え、そしてこれから一歩踏み出そうとしているところで映画は終わります。
「東京難民」はいったい何人いるんでしょうか? 社会が悪い、環境が悪い、その人間が悪い、色々あるんでしょうが、いつ起こるかわからない、アリ地獄を見た作品でした。
 
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ある日大学を除籍になっていた
 
 
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そして彼はネットカフェが一時の住処となった
 
 
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様々な人間と出会っていく
 
 
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そしてなんとホストになっていった
 
 
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しかしここも過酷だった そしてここから逃げる3人
 
 
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