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ビザと美徳

1997年作品、クリス・タシマ監督、主演。
 
1935年に結婚した二人、すっかり足の衰えた主人、もう結婚50年を迎える。 男は画家を目指していたが、夢は早くに諦めた。 夫の車椅子を押す夫人。 
夫は医学部の試験をわざと落ち、外交官になった。 リトアニアでの始めはのどかな生活だったが、ある朝外の騒ぎで目が覚めた。 時は1940年8月。 第二次大戦が始まっていたのだった。
ドイツがポーランドに侵攻し、国外に逃れようとする人でいっぱいになっていたのだった。 日本の領事・杉原千畝(クリス・タシマ)は、妻の幸子(スーザン・フクダ)と領事館の外に群がる数百人のユダヤ人に心を痛めていた。 杉原は政府の命令に逆らい、自身の出世を犠牲にして、通過ビザ(査証)を発行して罪なきユダヤ人の命を救うか、役人として命令に従うか、苦悩していた。 東京からの指令書には、指示に従いビザの発給を取りやめよとある。 しかし杉浦の腹はできる限りの発給をすることに傾いていた・・・
 
これは26分の短編ですが、杉浦千畝の苦悩と、決心をよく端的に描いている作品です。 元々舞台作品だった物を、クリス・タシマがショートフィルムで撮り、これがなんとアカデミー賞最優秀短編映画賞を受賞しました。 
杉浦千畝は日本人ですが、これは全編英語の作品です。 杉浦千畝に関しては、知る人ぞ知るで有名な方ですので、wikiをご覧いただければ詳しく載っています。
しかし彼が独断でやっていたビザ発給は戦後多くのユダヤ人から感謝され、当時の同盟国のナチスドイツとの関係から決して黙認できない環境に対し敢然と行った行為は人道上、称賛に値すると私も思います。 
作品中どうしてもビザが欲しい夫婦が、藁をもすがる思いで、杉原夫妻の前で、「バンザイニッポン」と言いながら、必死に哀願する姿は、ちょっと見につまされました。 色々な書物でも彼の行為は書かれていますが、その断片を見るにもコンパクトな作品でした。
 
 
 
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杉浦千畝役のクリス・タシマ
 
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必死にビザを貰うため懇願する夫婦、苦悩する杉浦だが・・