anttiorbの映画、映像の世界

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マイ・ブラザー

2009年作品、ジム・シェリダン監督、トビー・マグワイア、ジェイク・ジレンホール、ナタリー・ポートマン出演。

2007年10月7日、もうすぐ除隊だが、一応サム(トビー・マグワイア)は万が一のために遺書を書いていた。 アメフトのスター選手として学生時代を過ごしたサムは、チアリーダーのグレース(ナタリー・ポートマン)と結婚、2人の娘に恵まれる。 その後、米軍大尉として功績を残し、人望も厚い男だった。 父として夫として理想の男だった。
一方、弟のトミー(ジェイク・ジレンホール)は、長年定職にも就かず、挙句の果てに銀行強盗で服役する。 サムは出所の日トミーを迎えに行く。 優しい兄貴だ。 仲も良い。
自宅に迎えるサムだが、グレースは犯罪者の義弟を嫌がっていた。 一応出所祝いということで父・ハンク(サム・シェパード)と義母・エルシー(メア・ウィニンガム)も来ていた。 
サムはまた戦地に行くことになっている。 父は次男に辛辣な言葉を投げつけ、グレースと娘たちも彼への嫌悪を隠そうとしない。 トミーが唯一心を開くのは、母親を亡くし、寂しい子供時代を共に支え合ったサムだけであった。
そしてサムはアフガニスタンに向かうのだったが、旅立って間もなく、サムの一隊がアフガニスタンで撃墜されたとの知らせが届く。 そう冒頭にあったサムの遺書も一緒だった。 途方ににくれる家族、悲しみにくれるグレース、そしてトミー。
しかしいち早くトミーが立ちあがった。 懸命にサムの家族のケアを始めるのだった・・

いつも誠実な役のジェイク・ジレンホールですが、ひげ面の前科者という役は珍しいのでは? でも、彼の役はそうではありませんでした。
根はやさしい男で、兄に対するコンプレックスと相反する兄への敬慕が、彼の複雑な心理状態を表しています。
実は生きていたサムが、帰ってきてから物語が展開していきますが、これもアメリカの戦争という病を表していますね。 捕虜となり救出されるまでの強烈な体験が人格者だったサムを蝕んでいき、壊れてしまったサム。
立場が逆転していく人間模様が上手く現れています。 ただ惜しい点ははラストのあっさり感ですね。 ちょっといきなりブツっとした感がありました。 ここまでやったのならもう少し丁寧なラストが求められるのではという作品でした。


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前科のある弟・トミー

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人格者の兄・サム、でも戦地へ

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戦死の知らせが届く

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トミーの献身的なケアが始まる

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しかしサムは生きていた、しかし今までの彼ではなかった

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