2010年作品、マイケル・ランダー監督、キリアン・マーフィー主演。
ジョン(キリアン・マーフィー)は母と二人で暮らしていた。 その母も昨年亡くなった。彼は一人ぼっちとなってしまった。
そんな彼の部屋から女が出てきた。 洗濯をするとすぐ家の中に引っ込んでしまう。そしてカーテンを閉め外から見えないようにする。
朝食を用意するともう8時だ。 迎えの家族のふたりの子供たちがスクールバスに乗る。 彼女は化粧を落とし、鬘を取る。 そう彼女はジョンなのだ。
ジョンは銀行に勤めている。 ジョンの姿に戻ると女の姿のジョン・エマが用意した朝食を食べ、自転車で銀行に向かう。 その前に階段の下の宝箱から野球カードと、銀行の通帳を取り出すのだった。
彼は仕事はきっちりとこなす。 上司からは信頼されているというか、仕事を押し付けられているようだ。 そんなに使うことの無い金、結構貯金はある。 そんな生活に彼は浸っていた。
しかしある日、鉄道事故が起こり彼の敷地に列車が突入してきてしまった。 それはエマの時だったのだ。 それから彼の生活のバランスが狂い始める。 今まで家の中だけの存在だったエマが動き始めるのだった…
言うまでもなくヒッチコックのサイコを意識した邦題ですが、現代は「PEACOCK」です。 これは銀行名なんですね。
二重人格のジョンはそれでも今までひっそりと生きてきたのですが、列車事故によりエマの存在が公になることによって、彼の中の葛藤が始まるのです。
一応妻ということにしていますが、ジョンである時には上手くコミュニケーションのとれない彼が、実はエマになると普通に話すことができるところが、なかなか面白い設定でした。