第二次大戦、ドイツはフランスを陥落させ、フランスにはヴィシー政権ができいわゆるナチスの傀儡政権だった。 ナチスがヨーロッパを席巻して、人々はファシズムから逃れるため、リスボンへの脱出のためモロッコのカサブランカに向かう。
この町で、アメリカ人リーク(ハンフリー・ボガート)が経営しているナイト・クラブは、それら亡命者たちの溜り場だった。
フランス領のモロッコだが、ドイツの威光が行き届いている。 同盟国であるイタリア語を話すものもいるが、ドイツの力の強さを物語っていた。
その日ルノーは、シュトラッサーをリークの店に連れて行く。 リークとルノーは持ちつ持たれつの関係だった。 バーの裏にはカジノがあり、リークはルノーに絶えず勝たせてやる代わりに色々便宜も図ってもらっていた。
この日リークのところへウーガーテ(ピーター・ローレ)という男がやって来た。 ウーガーテは奪った旅券を持っていた。 その夜ある男に売ろうとしていたが、夜までリークに預かってほしいというのだった。
リークはOKするが、その夜ウーガーテは逮捕されてしまう。 そしてその旅券を渡そうとしていた男がヴィクター・ラズロ(ポール・ヘンリード)という男だった。
その夜彼は夫人同伴でやって来た。 バーのピアニストのサム(ドーリー・ウィルソン)は夫人を見て驚いた。 サムは今までリークと共にいた。 ラズロ夫人はフランスにいたときのリークの恋人・イルザ・ラント(イングリッド・バーグマン)だったのだ。
サムはイルザにリークに会わないでほしいというが、リークがその場に来てしまった。 驚くリーク、そして彼は激しく動揺するのだった…
20年ぶりに見ましたね。 「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」 が印象的で、いつかカラオケで歌いたいなと思ったものです。 またこの作品からとった名せりふの数々、いろいろなところで使われているほどですね。
ナチスの全盛期を、フランス領モロッコで脱出を夢見る人々の悲しい思いに合わせて画いている作品ですが、日頃逆らえない存在のナチスに対して、リークの店でラズロが 「ラ・マルセイエーズ」 を歌いだし、いつしか全員が歌いだすシーンは圧巻でしたね。
いつの日か自由を、というレジスタンスの魂を感じ入る感動的なシーンでした。
大戦中に撮られた作品ですが、真っ只中によくこんな作品を撮ったものです。 モノクロ作品ですが、そこもまた味わい深い作品でした。(10時)

ウーゴーニがリークの店に訪ねてくる

彼から預かったチケットをなんと彼女の夫が


昔を思い出すリークと、付き添うサム


