anttiorbの映画、映像の世界

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声をかくす人


1865年、南北戦争がいよいよ終わろうとしている。 北軍フレデリック・エイキンジェームズ・マカヴォイ)は友のニコラス・ベイカー(ジャスティン・ロング)となんとか生きて帰ってきた。 
長い内戦が終わり、北軍は勝利に酔っていた。 大統領のリンカーン(ジェラルド・ベストロム)は舞台を見に来ていて、軍の者たちも妻を連れ見に来ていた。 しかしその中に怪しい者たちが紛れ込んでいたのだった。
大統領は撃たれ、副大統領たちも襲撃を受けた。 次々と犯人たちはつかまり、有名な俳優だった主犯のジョン・ウィルクス・ブース(トビー・ケベル)は逃亡中に小屋に逃げ込んだ際に小屋を燃やされ、炎の中射殺された。
そして夫を亡くした後、2人の子供を育てるために下宿屋を営んでいた、南部出身のメアリー・サラット(ロビン・ライト)という女性も逮捕され、逮捕者は8人に昇った。 
元司法長官のジョンソン上院議員トム・ウィルキンソン)は彼女には弁護を受ける権利があると主張し、その弁護にフレデリック・エイキンが指名される。 彼は弁護士だったのだ。 エイキンは英雄と称えられた元北軍大尉で、大多数の北部の人々と同じく犯人に怒りと憎しみを抱いていた。 しかし彼はこの役を引き受けた。
はじめは気が進まないエイキンだった。 被告たちは民間人でありながら、陸軍省が仕切る軍法会議にかけられ、スタントン陸軍長官(ケヴィン・クライン)は判事に配下の北軍将校9人を選ぶ。 裁判長はリンカーンの棺を担いだ男、検事はスタントンが最も信頼するホルト総監(ダニー・ヒューストン)が務める。
エイキンは何か初めから仕組まれた裁判にだんだん不信感が募る。 そして調べるほどに少なくともメアリーは無実で、本当の罪は息子にあることを確信するのだった。 そして四面楚歌の裁判が始った・・・

これは史実なんですね。 ロバート・レッドフォードの監督作品はもしかすると初めて見たかもしれません。
主役にまだ若いジェームズ・マカヴォイを起用して、脇をベテランで固めていますが、ズバリ配役がうまかったです。
メアリー・サラット役にロビン・ライトを起用、これも彼女の疲れた表情の演技がうまかったです。 史実なので、今に通じるアメリカの姿勢が色濃く描かれている作品でした。
私は、のちの東京裁判にものすごく良く似ていることを感じました。 既に判決が決まっている裁判、エイキンの役が、東京裁判ではパール判事とするとおんなじシチュエーションですね。 はじめから結果の分かっている裁判なんて、中立性が全くない裁判なんて、正義とは?を痛烈に皮肉った史実を物語としてうまく肉付けができていた作品でした。
最後にメアリーの息子も捕まり、エイキンとの面会シーンはちょっと腹が立ちました。親を見殺しにした息子のセリフにちょっと憤りしてしまいました。(G)

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今回の弁護を任されたエイキン


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南北戦争の英雄だった彼は婚約者のサラと普通に結婚する予定だった

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だんだん弁護に没頭し始めるエイキン

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メアリーの健康にも気を配るエイキン

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しかし・・・

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