anttiorbの映画、映像の世界

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善惡の刃

2017年作品、キム・テユン監督、チョン・ウ、カン・ハヌル出演。

弁護士ジュニョン(チョン・ウ)は、大手企業に対して、住民の側について裁判を起こしていた。 妻のカン・ヒョジン(キム・ソンジン)、娘のビ・ヒュル(キム・ハナ)が見守る中、結局惨敗だった。 そして二人は出て行ってしまう。
一方今から大分前の2000年、ワールドカップの開催で、治安が強化され、刑事のビク・チュルギ(ハン・ジェヨン)はここで成績を稼いで出世を企んでいて、後輩にもハッパをかけていた。 そんな時に全北益山市の薬村五叉路で、タクシー運転手が刺殺される事件が発生する。
たまたまバイクで転倒して、15歳の少年だったヒョヌ(カン・ハヌル)はその事件の第一発見者となる。 しかしチョンギがヒュヌがナイフを隠し持っているのを見つけるのだった。
職にあぶれたジュニョンは、昔からの弁護士の友人のヒュアン(イ・ドンフイ)を頼って、彼の所属する弁護士事務所に売り込んでもらう。 何とか事務所の所長・ピルホ(イ・ギョンヨン)からチャンスをもらった彼が行った先は、田舎で行う無料相談だった。
気乗りのしない相談だったが、そんな中、話題性のある依頼人を探すうちに、タクシー運転手刺殺事件で有罪判決を受け10年服役したヒョヌに目をつける。
出所したヒョヌは被害者遺族に賠償金を支払うため多額の借金を背負っており、ジュニョンは彼に借金を無効にする方法として事件の再審を持ちかける。 ヒョヌはその提案に乗り、ジュニョンに本当に人を殺していないと打ち明けるが…

前回書いた同じ韓国作品、 「特別捜査 ある死刑囚の慟哭」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15041124.html でも感じましたが、今作はもっと根深い、警察と検事の大捏造です。
監督はキム・テユン、初鑑賞ですね。 主演はチョン・ウ、「レッド・ファミリー」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14788624.html 「人類滅亡計画書」 の“素晴らしい新世界” https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13706610.html に出演していました。
そしてカン・ハヌル、「二十歳(ハタチ)」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13695252.html とは打って変わったシビアな役でしたが、演技自体も成長していた感じがしましたね。
物語は、成り上がろうとする学歴の乏しい弁護士のお話。 一発当てようとすることに焦り失敗続きのジュニョン、彼が弁護士になった動機は正義のためではなく、金のため。 それはやはり地方大学中退でキャリアが無かったせいですね。
しかし同級生のヒュアンは虎視眈々と出世を狙い、大手の弁護士事務所に籍を置いています。 面白いのはその二人がだんだん役どころが変わっていくところですね。
しかし前の作品でも書きましたが、韓国って、特に映画監督は左派の人が多いんでしょうか? それとも官僚、政治家、警察権力の腐敗があまりにも多いんでしょうか? 特に警察の汚職、賄賂、特権を利用しての犯罪すれすれ、いや犯罪行為を描いている作品が本当に多い。 今作もちょっと激しい感じでしたね。
無実の青年をいかに罪人にしていくか? いかに自白を強要するか、もちろん刑事単独でできないこと、そこには検事も巻き込んだ巨悪が蔓延っているんですね。 
前作では背景に大手企業が、今作は刑事、検事、そして貧しいものに対する差別とレッテル張り。 しかしこれは事実を元にしたフィクション、原題は「재심」=再審という事で、裁判のやり直しを言っています。
日本でも再審請求が通るってことは、一度出た判決が覆る可能性が大変高いってことです。 しかしこの作品は2017年、実は昨年にようやく無罪を勝ち取ったそうです。

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ことごとく裁判に負けていたジュニョン

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そこで同期のヒュアンの事務所を紹介してもらう

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ヒョヌの弁護を受ける

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彼は無実だったが犯人にされ、認めさせられていた

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そして現場に行き彼も無実だったことを確信するが

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糖尿が悪化して今は目が見えない母

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しかし露骨な警察の弾圧

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