anttiorbの映画、映像の世界

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風にそよぐ草

2009年作品、アラン・レネ監督、サビーヌ・アゼマ、アンドレ・デュソリエ出演。

彼女は靴を買うときはいつもお気に入りの靴店に行き、そしていつもお気に入りの店員に、いろいろおすすめをチョイスしてもらう。 時に妥協するときもあるが今日はなかなかの好みのものが見つかった。
店から出てすぐのことだった、後ろからきた男にバッグをひったくられた。 財布が入ったバッグだったので、彼女は靴店に引き返し、事情を話して返金してもらった。彼女はマルグリット・ミュイール(サビーヌ・アゼマ)、歯科医をしていた。 警察には明日行こう、そう思った。
男は鬱々として過ごしていた。 時計の電池を換えにショッピングセンターを訪れた初老のジョルジュ(アンドレ・デュソリエ)は、駐車場で赤い財布を拾った。 金は抜き取られていて、カード類が入っていた。 それと小型飛行機の操縦免許証も入っていた。
ジョルジュは次の日警察に行った。 警察署は中で昇進祝いをしていてカウンターに誰もいなかった。 ジョルジュが呼びかけても返事がない。 中に入ってガラス戸を開けると中から、ベルナール刑事(マチュー・アマルリック)が出てきた。
不快に思い帰ろうとすると、ベルナールに引き止められ、説得をされ届け出た形となった。 
数日後、家に娘夫婦が来て息子と5人でディナーをした。 その時ジョルジュの電話が鳴った。 電話はマルグリットだった。 ただお礼を言いに掛けたのだが、ジョルジュはお礼だけか?会おうとしないのかと言ってしまう。 マルグリッドは必要なことだけ言い切ってしまった。
しかし言ったジョルジュはおかしなことを言ったと思い後悔して、手紙を書き、わざわざ彼女の家のポストに投函しに行ったのだった。 ジョルジュは失業していて、ちょっと心が病んでいるようだった。 なんとかマルグリッドに会いたいという気持ちが抑えられないジョルジュだった・・・

中年の恋?一歩間違うとストーカーですが、ジョルジュの妻スザンヌアンヌ・コンシニ)がかろうじてストップをかけます。 失業してちょっと荒れている夫をいたわる彼女の優しさで、ジョルジュはかろうじて心身を保っている感じですね。
妻からは、芝刈りとか、ペンキ塗りとか、家事を頼まれ、そんなことをしている時は少し気が紛れるんでしょうが、つい財布を拾ったことから、自分の人生がこれを機会に大きく変わるのではないかと大きな期待をするジョルジュの姿は、ちょっと哀れですね。
でもマルグリッドも、そんなジョルジュに何かを感じたのか、だんだんなにかしてあげられないかと、逆に彼に近づいていくところは、ちょっとコメディタッチです。
彼女の持っている操縦免許が最後に活きてきます。 大人の恋というか、おかしな三角関係というか、フワッとした感覚の作品でした。(G)



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なかなか出てこない警察官にイラつくジョルジュ


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すったもんだで結局財布を警察に届けるジョルジュ



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娘たちが訪ねてくる


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そして二人が近づいていくのだが


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