anttiorbの映画、映像の世界

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十二人の怒れる男

1957年作品、シドニールメット監督、ヘンリー・フォンダ主演。

ある殺人事件の法廷が終わったところだった。 これから陪審員が別室で、殺人事件の被告人である少年が、有罪か無罪かを審議しなくてはならない。
陪審員は名前はわからない。 また職業、地位もばらばらで法廷で見たこと、提出された証拠、目撃者の証言などで判断をする。 全員一致が必須で12人がこれから投票をするところだった。
どうやら法廷では圧倒的に少年が殺人犯という流れだったみたいで、その部屋の空気もほぼ避けられない感じだった。 ところが一人の男(ヘンリー・フォンダ)だけが有罪とは言い切れないといい無罪 「not guilty」 と叫んだ。
彼は陪審員8番で、皆彼はどうして有罪にしないのかという目で注視するのだった。殺人の証拠として、殺人の行われた部屋の真下に住む老人が、当日の夜、少年が“殺してやる!”と叫んだのを聞いたこと、その直後、老人は少年を廊下でみかけたこと、高架鉄道をはさんで住んでいる老婦人が折から通過した回送電車の窓越しに犯行を目撃した事実、胸に刺さっているナイフが特別で少年の物。
さまざまな証拠から少年の犯罪は立証できるという男たちにただ一人立ち向かう8番の男。 さあ果たして12人の陪審員はどういう評決をするのか?
少年は有罪か?無罪か?・・・

以前ルメット監督の遺作の 「その土曜日、7時58分」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/1994410.html を書きましたが、今回は劇場初監督作品です。
以前三谷監督の 「12人の優しい日本人」 というリメイク?を見たことがありますが、これが原型、オリジナルですね。 名前も明かされない、12人の男たちが喧々諤々の意見をぶつけ合って犯罪の審議を進めていく。
簡単に全会一致となれば早く帰れるのですが、8番の男のヘンリーが粘る粘る。まあ人の命がかかっていますからね。 有罪となれば電気椅子送りという切羽詰まった状態なので確かに重要で、しっかりと検証する必要があるのは事実です。
この映画は法廷の場面、殺人の現場等は一切出てきません。 12人の男たちと、その部屋に証拠を届ける係員だけです。 外は雨が降り出し、部屋の中は蒸し暑そうです。
そんな中のイライラ感と、垣間見る本人たちの心の葛藤、各々の心のひだが見えモノクロの古い映画ですが大変面白く見れました。 ルメット監督は癖になりますね。

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異議を唱えた8番の男

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全員一致でないと終わらない

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早く終わらせたい男

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not guiltyが増えていく

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そして…

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