鈴谷比呂志(伊藤)は生まれ育った門司に向かっている。 百貨店に勤めていて、お弁当フェアのためである。
門司についてしばらくするとなぜか雰囲気がおかしい。 どうも回りがおかしい。 ふと会った男の子に見覚えがある。 それも遠い昔に。
どうやらここが20年前の世界らしい。 海岸に行くと、途中で会った若いヤクザの男・布川輝良(勝地涼)も同じように20年前に来たことに動揺していた。 同じ境遇に陥ってしまったから、この海岸で何かあったら連絡を取り合うことにして、二人は各々の方向へ歩いて行く。
そこで比呂志ははっと思いだす。 自分が住んでいた家は旅館をしていて、そこに大急ぎで向かい、台所に行きレンジを止める。 実は昔うっかりとボヤを出してしまい、祖母・椿(吉行和子)にこっぴどく怒られたのだった。 間一髪止めた姿に周りは驚く。
そこにまだ生きている祖母の姿。 比呂志はその場で祖母にお願いをする。 「ここで働かせてほしい」。 火事を防いでくれたということで、祖母は住み込みで働くことを許可する。
少年の比呂志(富岡涼)はなぜかこの男・比呂志がなじめない。 年上なのになぜかタメ口をききたくなるようだ。(それはそうだ。本人だから) 朝の風呂掃除は二人の仕事だが、少年の比呂志は口を聞こうともしない。 ロビーで休憩していると、女性が2階から下りてきた。
なぜ彼が昔の自分の家に住み込むことにしたのか。 それは和美を何とか救おうと考えたからだった。 はたして彼は和美を救えるのか? そして元の世界には帰れるのか?・・・
尺がちょっと長いのですが、メーンの話以外に一緒にこの世界の紛れ込んだほかの3人の話がちりばめられているからなんですね。
「椿山課長の七日間」 とテイストは同じですが、人間と言うのは過去にやり残したことがあり、それがどうしても忘れられない時、奇跡が起こるものということなんですかね?
このラストは自分は悲しいラストに見えました。 やり残したことを果たす代わりに、身を犠牲にするというところが日本的ですが、あまりにも比呂志がかわいそうと思えてそんなところが泣けましたね。
右端の府川とこの世界に来てしまった比呂志
なんと子供時代の自分と逢ってしまう
そして、和美とも
なぜ自分がこの時代に来てしまったのか?
それは…