anttiorbの映画、映像の世界

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日本の悪霊

1970年作品、黒木和雄監督、主演:佐藤慶
 
ある日偶然知り合った、落合という名の刑事と、村瀬勝というヤクザ(佐藤慶二役)。この二人はなんと瓜二つ。 意気投合した二人だが、二人は自分たちが入れ替わることにした。
ヤクザになった落合は、鬼頭組に派遣されたインテリヤクザとなりそれなりにふるまっている。 そんな時に組長(高橋辰夫)が勤めを終えて出所してくる。 鬼頭組は組長自ら一人で捕まった間、何故か組員が増えている。
鬼頭組長はそんな組を見て喜び、これからどんどん組を大きくしていこうとけしかける。 落合刑事になかわりり警察に入り込んだ村瀬は、警察の中でやはり独特な存在感を見せ始める。・・・
 
警察の不正、やくざ同士の抗争、70年という高度成長時代の歪みをATG映画が独特のタッチで描いている作品です。 音楽で岡林信康が参加していますが、ただの音楽担当ではなく映画にも出演していますし、中で路上ライブもしています。
今撮影中なんだが、と言いながら歌うシーンもあり、そこだけ何故か切り取られた感じの映像になっているところが、ATG感覚なんでしょうか?
落合と村瀬の間を行き交う女の子役で高橋美智子という早稲田小劇場の女優が出ていますが、日本人離れした雰囲気で、この配役もATGっぽいですね。
ATGは今はないのですが、監督発掘、大手映画会社ではできないこと、やらないことを数々やってきた独特の存在でした。 今は個人で製作できる時代ですが、当時は若手監督になくてはならない会社だったという貴重な存在だったと思います。
 
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