2021年作品、ダニエル・サンドゥ監督、アドリアン・ティティエニ エレナ・プレア ユディット・スターテ ヴァレリウ・アンドリウツァ出演。
ジャヌ(アドリアン・ティティエニ)はルーマニアの情報機関を引退した男。 今は妊娠中の新妻のアリーナ(ユディット・スターテ)と、穏やかな冬を過ごしていた。 その平穏は一本の電話で破られることになる。 前妻であるパウラ(エレナ・プレア)との間の息子である大学生のコスミン(Vlad Ionut Popescu)が、雪山で遭難したというのだった。
ジャヌは部下のロー(Virgil Aioanei)を連れて、現場に駆けつけた。
山岳救助隊のリーダーであるクリスティアンの話では、コスミンはガールフレンドのダニエラと、ブチェジ山で4日前から行方不明になっているらしい。 ジャヌは自分も捜索に加わると言い張ったが、素人には無理だと拒否された。 仕方なくふもとで待っていると、別れた妻のパウラが到着した。 パウラはコスミンが生きていると信じて、神に祈った。
その日も何の成果も得られなかった。 時間が経てば経つほど、生存の可能性は絶望的になる。 ジャヌはただ待っていることに耐えられず、強引に救助隊に同行した。だが、雪山は想像を絶するほど険しく、ジャヌは救助隊の足を引っ張り、ついには体力が尽きてふもとへ引き返した。
日に日に捜索に出発する人数は減っていった。 雪崩が起こる可能性があり、危険だというのだ。
ジャヌはとうとう我慢ができなくなり、救助隊に任せておけないという思いに至る。 ジャヌは情報局時代のつてを使い、諜報員のフィリップ(Tudor Smoleanu)とその部下を呼び寄せ、独自に捜索を開始したが。
過酷な雪山との戦いかと思いましたが。
監督はダニエル・サンドゥ、日本で見れる作品は初めての様ですね。
ジャヌ役はアドリアン・ティティエニ、「エリザのために」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/15054431 でも果敢に戦う父親役をしていましたね。
前妻役でエレナ・ブレア、初めて見るベテラン女優さんでした。
そして今の身重の妻役でユディット・スターテ、彼女も初めて見る様ですね。
物語は今まで仕事仕事であまり家庭を顧みなかったジャヌ、今の妻は二人目で、今は妊娠していてもう少しで生まれるくらいです。 そして新しい家で、身の回りのものを買い物に行っている時、何度も携帯がなります。 始めは出ないでと言われ無視していましたが、その電話は前妻との間の長男が遭難したという知らせでした。
今でも定期的に連絡を取っていた長男のコスミン、今の彼女と山に登り連絡が途絶えたということでした。 そしてすぐに現地に向かいますが、救助隊の捜索もなかなか彼らを見つけることができない現状でした。 どんどん苛立っていくジャヌ、救助隊に当たり散らし、威張り散らし、どんどん険悪になっていきます。 そしてとうとう彼は自分の伝で、ある集団を予備キャンプを晴らせ、独自の調査を開始します。
今作は、遭難者の家族という側面と、権力を持っていた男の悲哀を描いていますね。 息子のためにあらゆる方法を取りたい男と、二次遭難を避けるために慎重に捜索を行う救助隊。 その隔たりがどんどん大きくなっていくのが悲しいですね。 しかしラストはなんか悲しみの中の光を感じますが。