2017年作品、アンジェリーナ・ジョリー監督、スレイモック・サリウム コンペーク・ポーン ソチェアータ・スウェン キムハク・ムン出演。
1970年代、戦乱の続く東南アジア、アメリカはベトナムで共産主義との戦いに介入、隣国カンボジアは、政治的混乱、内戦が続いていた。 アメリカはカンボジアの内戦から撤退し、ポルポト率いるクメールルージュは力を増す。
そんな中、カンボジアの首都プノンペンに暮らす5歳の少女ルオン(スレイモック・サリウム)公務員の父(ポンペーク・ポーン)優しい母(スチェアータ・スウェン)兄弟と幸せに暮らしていた。
しかし、1975年ポルポト派クメールルージュの軍がプノンペンを占領する。 ルオンの家族はプノンペンからの立ち退きを命じられる。 トラックで逃げた一家は、トラックも奪われ、徒歩でカンボジアをさまようことになる。 クメールルージュは、私有財産を否定し、ルオンの家族もほとんどの物を没収されてしまう。
クメールルージュ支配の農村にたどり着いたルオンとその家族は、木造の家を立て、農作業をすることを命じられる。 わずかな食事しか与えられず、重労働をするルオン、村では死体を見ることもあった。
家族は兵士から暴行され、ルオンは死について考え直面する。
ある日、父が兵士に呼び出され、翌日、もう父は帰って来なかった。
母はルオンと子供達に農村から逃げ、孤児になりすまし、ポルポト派の労働キャンプにいくように言う…
これは悲痛な作品ですね。
監督はアンジェリーナ・ジョリー、「白い帽子の女」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/14487312 を記事にしています。
主演はルオン役のスレイモック・サリウム、もちろん彼女だけでなく、登場人物はほとんどこの作品でしか見たことはないようです。
物語は1970年代のベトナム戦争が隣国で起きているときに、カンボジアもアメリカの干渉に会い、同じように反米の共産勢力と内戦をしていました。
しかし、アメリカはカンボジアの政権から撤退、ルオンの父は政府軍に属していて、ポルポト派の侵攻が始まっていきます。 私有財産の募集、そして旧勢力の除去、そして徹底的な共産主義に、ルオンの一家だけでなく、市民の生活は一変してしまいます。
そしてとうとう父が連れ去られ、もう帰ってきませんでした。 母は、ルオンと兄弟たちの身の心配をし、孤児になって行き延びるように言い、家から出るように指示します。
今作は、ポルポト派がこの後大虐殺を実行していく前夜を描いている感じですね。 共産国家という名の超独裁国家の始まりです。 優に100万人以上殺されたであろう、大量虐殺国家となったカンボジア。 感じたのは、昔の日本でも先鋭化した過激派、連合赤軍に似たような感じを受けました。
日本では学生運動は終わって行きましたが、もしあの時に左翼思想に、自衛隊が乗っかりクーデターが起きていたら、どうなったんでしょうね。 そんなことをちょっと考えてしまった作品でした。
しあわせな生活も
一転して家を追われ
財産もすべて没収され
そして優しかった父も
難民のふりをするルオン達
そして洗脳しようとする