anttiorbの映画、映像の世界

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帰れない二人

2018年作品、ジャ・ジャンクー監督、チャオ・タオ リャオ・ファン ディアオ・イーナン フォン・シャオガン出演。

チャオ(チャオ・タオ)の恋人はヤクザ者のビン(リャオ・ファン)。 地上げの片棒を担いだり、雀荘などの遊戯場を仕切ったりする毎日。 腕っ節が強く、ビンは仲間内からも一目置かれ、兄貴的な存在だった。 この仁義の世界で、義侠心を重んじながら、のし上がろうとしている男なのだ。 でも、チャオはもっとささやかなビンとの幸せを夢に描いていた。
チャオの父は炭鉱作業員だが、石炭価格の暴落で仕事がなくなっていた。 たまに実家に行き、父に小遣いを渡すチャオ、「鉱山局は新疆(シンジャン)に移転するらしい。石油を掘れってことだ」。 自暴自棄になりつつある父、時間があれば麻雀に行ってしまう。 炭鉱の街だらけの山西省は無職の者が増えてゆく。
「お前すごいんだろ! 冠くれてやるよ!」ある夜、二人の乗った車がチンピラに囲まれ、ビンは暴漢たちに襲われる。 このままでは殺されてしまうと思ったチャオは、とっさにビンの拳銃を持って車を出て、空に向かって威嚇射撃をする。 響き渡る銃声に若い暴漢たちは動きを止めた。 しかしそれは彼女の人生を一変させてしまうのだった。
警察に捕まり、拳銃の所持を問いただされるチャオ、しかし彼女はビンの拳銃とは一言も言わなかった。 そして、5年服役することになってしまう・・・

なかなか哀愁漂う仁侠映画ですね。
監督はジャ・ジャンクー、作品を見るのは初めての監督のようです。 なにか古き日本の任侠作品を見るようでした。
主演はチャオ・タオ、「ある海辺の詩人 -小さなヴェニスで-」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/9978250.html というヨーロッパ作品に主演をしていましたね。 上手い女優さんですね。
ビン役はリャオ・ファン、「薄氷の殺人」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13201044.html で主演をしていましたね。
 
物語は2001年の山西省・大同、ここでいわゆる地方のヤクザをしているんですが、その中心にいるのがビンであり、その恋人がチャオでした。 片腕のような存在で、彼女も周りから慕われていますし、しっかりとビンをサポートしています。 しかし彼女はやはりビンと所帯をもちたいと思っています。
しかしもちろんビンはよく狙われ、ビンと仲の良かった男が殺されてしまいます。 そしてビンも狙われていくんですが、その時彼女がとっさに撃った拳銃が彼女の運命を買えて行きます。
 
今作は哀愁漂いますね。 もちろんヤクザの世界なんで、いつも命の危険があるんですが、寂れゆく大同の景気の悪さ、あぶれれていく労働者。 その不満はいろんなところで膨れ上がって行きます。
面白いのは、新しい開発地で新疆の名前が出てくるところですね。 中国はやはりここでの開発、資源産業を求めていて、さらに労働者をあっという間に移転させていくんでしょう。 そういう時代の流れと、チャオのしたたかな生き方がなかなか見ていて興味深く感じます。
 

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ビンは地元での実力者

 

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チャオはそんなビンと付き合っている

 

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銃を撃たせるビン

 

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しかし集団の暴漢に襲われ、チャオの威嚇で逃れるが

 

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彼女は5年服役をして、ビンを訪ねるが

 

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途中泥棒に遭い自力で金をくすねる

 

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