2007年。 新聞社で実習生として働くワン・イーチー、通称シャオチー(カイザー・チュアン)。 彼は激しい嵐の夜に、台湾郊外の新店での山道で車両同士の当て逃げ事件を目撃した。
被害者の車は無残にも潰れ、運転席の男性は命を落としており、助手席の女性も瀕死の状態だった。 シャオチーはとっさに現場から逃走車の写真を撮影し、大学院時代の恩師である上司のチウ編集局長（クリストファー・リー）に見せるが、ナンバープレートの数字が判読不可能であったために記事には成らず、また犯人が捕まることもなかった。 それから9年の月日が経つ。
スクープを連発する敏腕記者となったシャオチーは、出世したチウ氏の送別会に出ていた。 彼のおかげでここまで出世したシャオチーだったが、彼の自信はゆるぎないものになっていた。 そんな彼は、国会議員の不倫疑惑の現場を目撃した帰り道、1ヵ月前に中古で買ったばかり の愛車をぶつけてしまった。
破損した車を馴染みの自動車修理工場のジー（ウーシャン・チャイ）に見せると、その愛車は過去にも事故に遭っていると指摘される。 そこでシャオチーは事件記者としてコネのある警察で、車両番号の照会を無理を押して頼んだところ、なんと以前の持ち主は9年前の当て逃げ事故の被害者だった。
時同じくして、順風満帆だったシャオチーのキャリアに危機が訪れてしまう。 自信を持って、不倫現場を激写したと思っていたシャオチーだったが、二人は少し前に籍を入れていて、国会議員カップルが実は夫婦であり、名誉棄損で新聞社を訴えると言い出したのだった。
解雇されたシャオチーは先輩記者マギー（ティファニー・シュー）の協力を得て、独自に9年前の事故の真相を調べ始める。
そこで浮かび上がったのは、事件の被害者なのに、その後病院から姿を消した女性がいることだった。 家族との縁も断ち切り世間から身を隠して暮らす被害者女性シュー ・アイティン（アリス・クー）、彼女に付きまとう影、同じ日に起きていた富豪の娘の誘拐事件、そして逃走者の所有者として浮かび上がる意外な人物。
関係者たちの事故に関する証言がことごとく食い違う中、シャオチーはある結論を導き出すのだが…
台湾映画のサスペンス、英題が 「Ｗｈｏ Ｋｉｌｌｅｄ Ｃｏｃｋ Ｒｏｂｉｎ」 というんですが、なかなか面白く掛けている英題ですね。
監督はチェン・ウェイハオ、長編作品は2作目の監督ということですが、日本公開は初めてみたいですね。
主演はカイザー・チュアン、日本公開でははじめて見る俳優さんですね。
物語は、シャオチーが遭遇したふたつの事故をきっかけに、過去と今の事件の結びつきに気づき、独自の調査を開始していく物語ですね。
冒頭は９年前の事故シーンから始まります。 その時の彼は、車が動かなくなり、そこは山間の場所で携帯の電波も通じないところでした。 車が通るのを待つしかない、雨も激しく途方に暮れていたところに起こった事故、追突した方の車は逃げてしまい、ぶつけられた車には、おそらく助からないだろうと思える運転手の男と、瀕死の女性が乗っていました。
しかし彼はそこで携帯が通じないとはいえ、自分の車に戻ってしまうんですね。 このシーンがすべてに発端になって行きます。
因果は巡り、その時の事故車に、よりによって乗っていた自分、もちろん大破したぶつけられた方の車ですが。 ここにも彼と奇しき因縁を感じる物語が絡み合って行くんですね。
アジア映画を見ていると、上海、台湾、韓国、それぞれ特色を感じますね。 もしこの題材で韓国で作られたら、もっとギラギラした感じになるでしょうし、ちょっと深みのある陰影をつけた感じにこの台湾作品はし上がっている感じがしました。
日本人受けするのはこっちかもしれませんね。
スクープを取った帰りに事故に遭ってしまい、自分の車が事故車だったことがわかる
恩人のチウ氏
先輩のマギー
しかし彼は失態をし会社を追われ、9年前に事故を調べ始める
