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ホームレス理事長 ~退学球児再生計画~

2013年作品、土方宏史監督。

5年前に廃校になった愛知県知多市にある県立高校のグラウンドで、白球を追う若者たち。 彼らは、タバコ、喧嘩、いじめなど様々な理由によって前の学校をドロップアウトした “元高校球児” だ。
チームの名前は “ルーキーズ”。 2年前、NPOが高校中退者を集めてこの野球チームを作った。 “野球と勉強の再チャレンジ” を柱に、グラウンドで白球を追いながら、高卒の資格を目指して選手たちは通信制高校で学んでいる。
二塁手の小山雄嗣は17歳。 彼も挫折からの再チャレンジを目指す1人。 一度は愛知の野球強豪校に入ったものの、わずか1年で退部してここへやってきた。 新しい環境でチームメイトとの関係などに悩み、このまま野球を続けるかどうか迷っている。
このNPO の理事長、山田豪は 44歳。 生徒が思うように集まらず、赤字経営が続いている。 理事長といっても生活は苦しく、家賃滞納でアパートを追い出され、ネットカフェを転々とする日々。 ホームレスとなった理事長は、それでも日夜金策に走り回る。 そしていつの日か、人生の“大逆転”を狙っている。
高校野球は毎年全国で6万人を超える入部者があり、運動部の中でも花形。 しかし、華やかな光が当たる一方で、影の部分もある。 およそ9千人がトラブルなどによって途中で退部。 特に特待生制度などで野球強豪校に入った “野球エリート”たちは退部と同時に学校も中退し、社会からドロップアウトしていくケースが多い。退部した途端、プロ野球を頂点とするピラミッドから滑り落ちて、目標を失ってしまうのだ。
これは、学業や就職な ど一度レールから外れると再挑戦が困難な日本社会の縮図でもある。 野球でアウトになっても人生はアウトではない。 試合は終わってみなきゃ分からない。 いつも9回裏ツーアウトのつもりで立ち向かえ。 退学球児たちの場所を守るために奔走する理事長の生き様を追いながら、社会の閉塞感とその突破の方法について考えてみた・・・

監督は土方宏史、「ヤクザと憲法」  https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15348454.html は先日紹介しました。

物語の多くの部分はこの 「ルーキーズ」 という、NPO法人を立ち上げた理事長山田豪氏にスポットが当てられています。
44歳いまだ独身、彼は日々金策に追われています。 彼の第一はこのルーキーズの維持、少年たちの環境をいかに存続させるか、それが彼らたちの人生の再チャレンジに繋がると思っているんですね。
はじめはち ょっと古いアパートに住んでいた山田氏ですが、もうすでに光熱費が払えず、おそらく家賃も滞納していることがすぐにわかります。 そして、そこも出て行き、ネットカフェに毎日行くホームレスとなってしまいます。
そこでパソコンに入っているオセロをすることが唯一の息抜き、なぜオセロをするのか? それは最後の最後まで負けていても、一発逆転ができるから。 自分のやっている方向は、間違ってはいない、いつか必ず支援者が現れ、軌道に乗る、しかし今の自分に何が足りないんだろう。
坊主にしたり、危ない闇金にまで手を出したり、正直見ていて危なっかしい事ばかりをしている理事長、しかし支援者がいて、現場を見ている監督もいる。
この作品は、他の系列局で地上波放送寸前まで行ったそうですが、あるシーンで地上波放送はお蔵入りになりました。 それは選手に対する監督の数発のビンタ。
もちろん平手ですが、暴力シーンはご法度のテレビ界、ルーキーズが日の目を浴びる機会が失われました。 しかし劇場公開がなされ、大きな話題になったことは後で知りました。
ドラマや映画になった 「ROOKIES」 とはあまり関係がないようで、原作漫画は1998年からの連載なんで、コンセプトだけを拝借したという事はあるかもしれません。この作品の見どころは、ビンタシーンもそうですが、それ以上に、理事長のある土下座シーンなんですね。 ドキュメンタリー作品で掟破りのところです。 これは制作サイドの東海テレビも困ったでしょう。 八方ふさがりになった山田氏が、 密着をしている東海テレビスタッフに金を貸してくれと泣きつくシーンです。
もちろんスタッフは話を聞きながら拒否をします。 当然のことですよね?
そして全体を通じて感じることは、野球をしている少年たちが、感謝の気持ちが非常に薄いってことですね。 運動部にありがちはいじめも散らばっており、そもそもドロップアウトしてきた選手たちにはそれなりの理由があるんですね。
露骨にカメラに向かってくる少年、すぐに逃げ出そうをする少年、共通しているのは、理事長の金策のことは知っているようでピンと来ていない。 さすがに監督がそのことを伝え、選手たちに自覚を促すシーンがありますが、選手たちの反応が薄いんですがね。
この作品、今この 「ルーキーズ」 がどうなっているのかが大変気になります。 それは見た方がちょっと調べればわかると思います。

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これがルーキーズ

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監督

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しかしカメラに反応する選手

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住む家を失う理事長

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坊主になって

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金策に奔走する

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