anttiorbの映画、映像の世界

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ひそひそ星

2016年作品、園子音監督、神楽坂恵 遠藤賢司 池田優斗 森康子出演。

人間は、何度も大きな災害に見舞われ、何度も大きな失敗を繰り返し続けた。 人工知能を持ったロボットは増え続け、人間の数よりも増えて、宇宙を支配するようになった。 人間は、絶滅危惧種になった。
まるで昭和を思わせるようなレトロな内装の宇宙船で、荷物の配達をしているアンドロイドの鈴木洋子(神楽坂恵)。 宇宙船の人工知能671Mは、少年のような声で話しかけることがあった。
掃除中、古いテープレコーダーを見つける。 聞いてみると、荷物を配達するために宇宙船をレンタルした鈴木洋子が、日記代わりに録音していたものだとわかる。
671Mの話し声も録音されていた。 だが、洋子も671Mも、それを覚えていなかった。
10年と3週間後の録音テープで、水道の蛇口が壊れたという報告をきっかけに、不穏な雰囲気が漂い始める。 671Mが、あるはずのない流星群の存在を伝えたり、軌道修正をするよう求めてくるようになった。
原因は、天井のライトの中に入り込んでしまった虫だった。 671Mがパニックになる可能性があり、虫を追い出すことも出来ない。 洋子は、671Mが気付くまで待つことにした。 機械だから仕方ないと671Mに話しかける洋子は、自分の体の電池を交換した。 洋子は、次に宇宙船をレンタルした人の退屈しのぎになればと思い、録音を始める。
次に到着する惑星には、同じファクトリーで生産された、別の鈴木洋子がいる可能性があった。 予定の惑星に到着した洋子は、荷物を届けに向かう。数日待って、受取人に荷物を渡した洋子は、次の惑星へと出発する。 別の鈴木洋子には、会うことができなかった。
宇宙船の中で、テープに録音を始める洋子。 距離と時間に対する憧れから、テレポーテーションを使わずに配達を行わせる人間の事を、機械である洋子は理解できなかった。
配達物の中身は、写真のネガや絵の具のパレット、鉛筆や紙コップなどだった。 靴底に空き缶をはさめたまま、荒廃した町を歩き回る初老の男性。 拾った自転車に乗ってウロウロしていると、配達を終えた洋子に遭遇する。
宇宙船に戻って出発しようとする洋子を引き留め、飲みに行こうと誘うが、洋子はそれを受け流した。 男性は、早く戻ってこないと自分は死んでしまう、と洋子に告げた・・・

シュールな作品ですね。 今作は大手の配給ではなく、園監督自身の独立作品で、上映館が少なく、映画館には行けなかった作品です。

主演というか殆ど奥様が出ずっぱりでしたね。
物語は大変変わったSF作品、AI全盛となり、人間はもう劣勢になっている宇宙のお話です。 しかし敵対をしているのではなく、お互い領分をわきまえて、共存している未来のお話ですね。
アンドロイド洋子の仕事は宅急便、宇宙を長い年月をかけて荷物を届けるという事です。 ほとんど全部のお客は人間、人間は実際に手渡しで荷物を届け、受け取ることがどうしても忘れられないようなんです。
しかし中身は大したもんではなく、主に思いでの物ばかり、そんなところにちょっとした人間賛歌になっている感じがします。
そして忘れてはいけないのが、東日本大震災の被災地でのロケという事ですね。 「ヒミズ」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/7400684.html 「希望の国」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/7411222.html でもそういう被災地でのロケを敢行した園監督、今作もほとんど宇宙船と、被災地のみでのシーンでした。
園監督のまたある一面を観れる作品ですが、ヒット作とはなりえない感じでしたが。

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宇宙を航行し、荷物を届ける

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鈴木洋子というアンドロイド

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受け取りは人間

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人間は手渡しで物を受け取る

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今回の最後の荷物となる

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