anttiorbの映画、映像の世界

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きみの声をとどけたい

2017年作品、伊藤尚往監督、声の出演:片平美那。

ラクロスの試合が行われていた。 日ノ出坂高校は劣勢で、キャプテンになる2年生の龍ノ口かえで(田中有紀)が奮闘するが、強豪校の鶴ヶ岡女子学園に大差で負けてしまう。
そこにはかえでのライバルで、幼いころ一緒に遊んでいた浜須賀夕(飯野美紗子)がいた。 彼女もこの試合の後部長になるとのことだった。 夕は祖父がここらの有力な人物で、専用のバスなども寄付できる経済力を持っていた。
帰り道、同じラクロス部の行合なぎさ(片平美那)と、同じく幼馴染みで同じ学校の中原あやめ(神戸光歩)に悔しさをぶつけ、はっきり言う性格のかえでに、なぎさはいたたまれず先に用事があると言って帰ってしまうのだった。
しかし彼女が向かった先は、なにか嫌なことがあった時に叫べる場所、蛙口寺に行き鐘を突き、その鐘がなっているときに中で叫んでスッキリするのだった。
なんでもはっきり物が言えるのが、かえでの良いところでもあり、しかしそれが相手を攻撃すると自分に帰って来る、なぎさはある出来事がきっかけで、小さい頃に祖母から聞いたコトダマの話を、なぎさは信じていて、実際にコトダマが見えるのだった。
彼女はふと暑いからたまには雨が降らないかなと言ってしまう。 コトダマを発してしまったことから急に雨が降り出してしまう。
雨宿りに軒先を借りていると、お寺にいたカエルの姿が、そしてそのカエルがその家に入って行ってしまう。 そこは今は使われていない喫茶店だった。 声をかけてもだれもいない。
その奥に何か見慣れない小部屋があった。 そこは何かの機械設備が揃っていて、喫茶店の壁はレコードでびっしりだった。
なにげなくレコードをかけてみるなぎさ、どうやらここは小さなスタジオで、ラジオ局のようだった。 ちょっとした出来心からDJの真似事をするなぎさ。
誰も聞いていないだろうと思っていたなぎさだったが、半分ふざけて自分のメルアドを言うと、なんとその放送を聴いていた人からメールが来るのだった。 そしてなぎさはその喫茶店のことを無性に知りたくなり、いろいろ聞いて回っていると、電気店の主人・川袋三郎がそこの常連だったことを聞きつけ、話しを聞きに行く。
そしてその喫茶店兼ミニFMステーションにはある悲しい出来事があったのだった…

マッドハウス製作の長編アニメーション、これはなかなか瑞々しく、初々しい作品でした。
監督は伊藤尚往、劇場版は2作目という事みたいです。 そして声を当てている女の子たちは、新人声優とベテラン声優三森すずこが組んだユニット 「NOW ON AIR」 の6人という事なんですね。NOW ON AIRはこの映画のために行われた 「キミコエ・オーデョション」 に受かった6人で、いろんな人に声を届けたい、という映画のコンセプトを元に活動を行っているようですね。
主人公なぎさの声の片平美那をはじめ、ほぼ新人の声優さんたち、映画同様声も初々しさと、正直ちょっと危なさも感じますが、それがまたリアルでした。
物語は、カエルのお導きで、ふと入ってしまった今は閉めている喫茶店兼ミニFM放送局、しかしこの空間が実にいいんですね。 なぎさでなくても何か喋りたくなってしまう魅力的な空間です。
しかしどうして締めてしまったのか? それがこの作品の導入部です。 この放送を聞いていたのが、この喫茶店をやっていた女性の娘でした。 しかし彼女はある大きな事情を抱えていました。 そしてこの放送は必ずしも彼女を良い気分にさせたのではなかったんですね。
ミニFM局は小さな範囲をカバーする放送、商店街をカバーするのも難しいと言われていました。 しかし免許も以来ないという事で、地域のミニ情報なんかを流すと結構人気が出るそうですね。 そしてこの後、なぎさとここの喫茶店をしていた女性の娘・矢沢紫音がまず放送を復活していく流れになって行きます。 紫音の声が一番の人気声優・三森鈴子が二役で演じています。
この舞台は湘南ですね。 路面電車江ノ電がモデルでしょう。 こんなミニFMは昔は結構あったんでしょうか? この地にあったらさぞいいでしょうね。
夏のいっとき、このアニメはなかなか涼しい風が吹いてくるような清々しさでした。

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雨宿りに入った今は使われていない喫茶店

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何気なくDJをしてしまうなぎさ

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それを聴いていた人がいた

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それはこの喫茶店をしていた人の娘・紫音だった

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そして二人で始めたFMラジオ

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そして集まる仲間たち

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