僕(小栗旬)が母校の教師に赴任してきて1年が経った。 そんな時、図書館が老朽化のため取り壊すことになったという発表があった。 そしてその図書館の本の整理を、図書委員と共に担当して欲しいと頼まれてしまった。
実は僕は、教師を辞めようと思っていた。 机の引き出しに退職願があり、いつ出そうかと思っていた矢先だったが、図書館司書の資格を持っていて、高校時代図書委員をやっていたことを知られて頼まれたので、強く拒否もできなかった。
図書委員の栗山(森下大地)は綺麗に分野別に分類番号が振られた整理に驚くが、それが僕がやったことが栗山にはわかってしまった。 しかし僕はその作業を一人でやってのではなく、おせっかいの女子が一人いたことを彼にぽつりぽつりと話すのだった。
高校時代の僕(北村匠海)は、誰とも交わらず、いるかいないかわからない存在で、いつも席に座って本を読んでいる生徒だった。 図書委員も一人だけ、そんな時ある女性と口をきくようになった。 それは同じクラスの山内桜良(浜辺美波)で、彼女はクラス1の人気者だった。
どうしてこんな僕と話すようになったのか? それは盲腸で入院していた時にそこで彼女が落とした1冊の本を拾ったからだった。 その本の題名は “共病文庫”、そこには彼女の日記が書かれていたが、彼女は思い膵臓の病で、長くは生きられないという衝撃的なことが書かれていた。
すぐに彼女が近づいてきて、明るく読んだよね? と聞いてきた。 しかし僕は他人にはあまり興味がないので平静な受け答えをしたのに、彼女が却ってびっくりしたようだった。
そこから桜良と話すようになっていき、なんと彼女は図書委員にもなってしまう。 そして、デートの約束までさせられてしまった。 しかし人気者の彼女は、親友がいて、恭子(大友花恋)といい、二人が話しているのを見ただけで敵対心を燃やすと言われ、彼女に誘われてデートをさせられたのがばれた時、物凄い顔で睨まれたのだった。 しかしそれだけではなく、クラス中から、奇異な目で見られてしまった。 それはクラスで一番目立たない男と、クラス1人気者の彼女がデートするなんて。
いたたまれなくなった僕は屋上に避難する。 彼女が追ってくるが、彼女は 「絶対に病気のことは家族と君以外には話さない」 と言う。 もし恭子に言うと、両親のように、絶えず神経を使って自分と接するようになってしまうからだと、実は彼女は深く親友を思いやっているのだった。
じゃあどうして自分だけには明かしたのか? それは文庫を読んだ後も普通の反応をしたこと、病気のことを知っても普通に接しているからだった。
そしてある日少し遠出をしたいから付き合ってほしいと言われた彼女について行くと、なんと彼女は行く先をなかなか教えず新幹線に乗って1泊旅行をすると言い出すのだった…
これは少年少女たちのキャスティングが絶妙の作品でした。
監督は月川翔、「君と100回目の恋」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14731292.html とほか1作を見ていますが、若い俳優の作品を撮っている印象が強いですね。監督自身もまだ30代半ば、瑞々しい画像を撮る監督ですね。
主演は浜辺美波、「エイプリルフールズ」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/12902669.html にちらっと出ていますし、秋公開の実写版 「亜人」 にも出演しているそうで楽しみです。
そしてもう一人北村匠海、「ディストラクション・ベイビーズ」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14160339.html 「あやしい彼女」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14026876.html に出演していますが、高校生の “僕” 役がなかなか良かったし、合っていました。
物語は、余命短い高校生の少女と、友達が全くいない孤独な少年の淡いお話。 ですがこの桜良が実に明るく振る舞うんですね。 「本当に君は死ぬの?」 “僕” が聞く気持ちがわかりますね。
これは予告編からして、展開が何となくわかりますが、どう決着していくのか? どうして大人編をするのかが気になる作品でした。 小栗旬が成長した “僕” を演じるんですが、ここまで暗い青年の小栗君を観れるのも珍しい(^^)
私は桜良役の浜辺美波ちゃんに主演女優賞を上げたい、儚さの中に強烈な輝きを放っていた演技だったと思います。
思い出の図書室が無くなる、その時
彼女のことが思い出される
彼女は図書委員にもなってしまう
明るい桜良に思わず聞いてしまう「君は本当に死ぬの?」
そして遠出に連れて行かれる“僕”