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エリート・スクワッド ブラジル特殊部隊BOPE

2010年作品、ジョゼ・パジーリャ監督、ヴァグネル・モウラ主演。

ナシメント中佐(ヴァグネル・モーラ)は、妻のロザーナ(マリア・リベイロ)と離婚し一人暮らしとなってしまっていた。
そんな時、刑務所において暴動が発生する。 それを鎮圧するためにBOPEを派遣するが、暴徒が交渉相手としてフラガ(イランジール・サントス)を指名してきた。
人権保護活動家として人気の高いディオゴ・フラガは、迷うことなくその役目を引き受け、一切の武器を持たず刑務所内に入っていく。 しかし、裏からはBOPEを待機させており、何時でも攻撃できる態勢を取っていた。 そしてその指揮をしているのはマティアス(アンドレ・ラミロ)だった。
暴徒のリーダーは、丸腰でやって来たフラガの説得を受け、武器を手放そうとしたが、その瞬間BOPEが突撃、暴徒たちを鎮圧、多くの死傷者を出したが、人質を奪還した。
マティアスとしてはナシメントから教えられたBOPEとしての行動を忠実に実行したまでだった。 しかし今回はナシメントは複雑だった。それはフラガが別れた妻・ロザーナと恋人関係にあり、ナシメントとはいがみ合っていたからだった。
この一瞬のトラブルからフラガに銃を突きつけた暴徒を、マチアス大尉が射殺した行動に、ナシメントは警察内部から大バッシングを受けることになるが、逆にブラジル国民からは英雄的行為であると賞賛され、ナシメントはBOPEを外される代わりにリオデジャネイロ州公安局の次官として昇進し、フラガは州議会議員に当選する。
ナシメントはこの機会にBOPEを増強し、リオデジャネイロからギャングを一掃することに尽力することになる。 しかしこれは新たな火種を起こす原因となっていたことを、ナシメントはまだ気が付かなかった。
それは、ギャングの壊滅により、汚職警官たちは暗黒街を直接支配するようになり、軍警察のロシャ(サンドロ・ローシャ)を筆頭とした、ミリシア(民兵)と呼ばれる汚職警官グループと、政治家まで加わった強大な悪の 「システム」 が出来上がってしまう。
ミリシアの陰謀に気付いたナシメントは、犬猿の仲だがただ一人清廉潔白な政治家のフラガとともに、社会の病巣に立ち向かうのだが・・・

絶賛された前作でしたが、物語は決してハッピーエンドでは終わりませんでした。 尊い犠牲を多くだし、ネトも殺され、ナシメントも家族を失いました。 今作ではフラガの登場で、いよいよ悪の根元の政治家にも話が及んでいきます。
監督は引き続きジョゼ・パジーリャ、キャストは新たに運動家で政治家となっていくイランジール・サントス、そして腐った警察の親玉のロシャ役でサンドロ・ローシャが出てきます。 このロシャがとてつもなく悪いんですね。
確かに金儲けのルートは今までディーラーと称する仲介人がいましたが、彼らがBOPEの強烈な締め付けで干上がってしまうんですね。 そして今まで彼らの上りを当てにしていた汚職警官が、ディーラーを殺して、自らスラムを支配していきます。
ショートカットするんですが、こいつらは権力と武器を持っているからたちが悪い。 そしてその裏にはその収益を吸い上げる政治家、州知事がいるんです。 どこまで腐っているのか?
今回は、ナシメントの別れた家族も絡んできていて、さらに政治家という警察の範疇を超えた敵にどう彼が立ち向かうのかが焦点ですね。 フラガと連携を組む複雑さもありますし、彼らの鉄槌は多少効果はあったようですが、そんな簡単には浄化できない国でもあるんですね。
この2作品は、大変に面白く現実の残酷さが描かれています。

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刑務所内で暴動が発生する

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人質を取って立てこもる犯人グループ

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鎮圧の仕方でナシメントはBOPEを離れ上部組織に

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マティアスの指揮下にBOPEはなるが

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汚職警官が蔓延り始める

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そしてナシメントは最後の手段に出る

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