anttiorbの映画、映像の世界

不定期で、旅ブログも立ち上げます!

オーバー・フェンス

2016年作品、山下敦弘監督、オダギリジョー蒼井優出演。

職業安定所からの紹介により職業訓練校に通うことになった白岩(オダギリジョー)、授業が終わると缶ビール2本と弁当を買ってアパートに帰るのが日課だった。 
訓練校には様々な人間が来ていた。 もうリタイヤしているような年輩の男だったり、自分と同じくらいの年齢だったり(鈴木常吉)、まだ10代の器用な男(松澤匠)、不器用な大学中退者(満島真之介)等。
そんな時、前から誘ってきていた代島和久(松田翔太)の誘いを断りきれず、キャバクラに行く白岩。 そこで代島からこういう店を一緒にやらないかと誘われる。
彼はひとりではなんだからパートナーを探していたのだった。 答えに困っていると、ふとある女を見つけるのだった。
その女はついこの前も見た女で、鳥の動きの真似をしている。 彼女は田村聡(蒼井優)と言い、なんとなく白岩は話しやすい感じだった。 二人のテーブルに来て、飲み始め、さっきの話はそこで終わりとなった。
その日、彼女は自分の車で白岩を送ると言い出し、乗せてもらう事になる。
しかしその日は特に二人に何も進展は無く、ビールを買いに行ったとき、聡の態度が急変し置いて行かれてしまったのだった。
実は白岩は妻と子供と別れ、この函館に帰ってきたのだった。 やる気をなくし、何か別の仕事をしようと思い訓練校に入っては見たものの、だからといって大工になるという強い気持ちまでは無かった。 孤独ではあるが、だからといって人とつるむのも気が引ける、そんな感情で日々を過ごしていた。
しかし代島は、聡に会いに行ってほしいと言う。 彼女は函館公園でアルバイトをしていた。 会いたがっているという話を聞いた白岩は、なんとなく彼女の働いている公演に向かい、子供の国で働いている彼女を見つける。
初めは愛想のない顔をしていた聡だったが、来てくれたことには嬉しかったらしく、動物施設に白岩を連れて行き、いろいろ説明をしてくれるのだった。
そしてその夜彼女の家に行くのだったが…

函館三部作の最終章、函館出身の小説家・佐藤泰志の「海炭市叙景」「そこのみにて光輝く」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/11504701.html と続いた完結編?という事ですが、続きの3作ではありません。
ただ、監督を熊切和嘉、呉美保、そして今回は山下敦弘と、個性的な監督にそれぞれ依頼しているという感じで、それぞれの監督から見た函館という視点からも、なかなか邦画ならではの、邦画でしか出しえない仕上がりになっていると思います。
主演はオダギリジョー、切れ目なく多くの作品に出ている彼ですが、私が最近見た出演作は 「合葬」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13501897.html 「S -最後の警官- 奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13417381.html 「渇き。」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/11814612.html ですかね。
濃い顔なんでいるだけで存在感が出る彼も、2000年の「仮面ライダークウガ」 で一躍世に知れた存在になりましたが、私は園子音監督の 「HAZARD」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/8698537.html が一番かな?
そして蒼井優、山田監督作品のレギュラーにもなってきていますが、「百万円と苦虫女」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13411782.html と「花とアリス」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/7200066.html が好きですね。
物語はこの後、微妙な関係になっていく二人なんですが、だんだんと白岩の過去が解き明かされていきます。 どうして離婚をしたのか? なかなか話したがらない白岩に聡が切れるところが予告編で使われ、迫力のシーンですね。
山下監督って、こういう何かを抱えた人間のドラマを描くと上手いんですよね。 「苦役列車」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/8490524.html なんか私は面白く見ましたし、「もらとりあむタマ子」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/11034548.html も何気ない女の子の日常を演じる前田敦子をうまくリードしていました。
題名の理由は最後にわかりますが。

イメージ 1
一人函館に戻ってきた白岩

イメージ 2
同じ訓練校にいる代島

イメージ 3
キャバクラにいた変わった女・聡

イメージ 4
距離が近くなる二人

イメージ 5
離婚した妻

イメージ 6