anttiorbの映画、映像の世界

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リリイ・シュシュのすべて

2001年作品、岩井俊二監督、市原隼人忍成修吾蒼井優出演。

カリスマ的アーティスト・リリイ・シュシュに心酔する中学2年の雄一(市原隼人)。 学校でイジメを受けている彼は、自らが主宰するリリイのファンサイトリリフィアの中で交わす、青猫というハンドルネームのリリイ・ファンとのチャットに心癒されていた。
雄一をイジメているのは、星野(忍成修吾)という同級生。 1年の頃は、剣道部の部員として仲の良かったふたりだった。 星野は新入生総代で、学年トップの成績で入って来たと噂されており、早くも注目の的だった。 しかし実際は、成績は7番目、本人はどうして自分が総代になったのかわからなかったし、そのために注目される反面妬まれているのに気づいていた。
しかし剣道部に入った時、仲のいい男子生徒5人ができ、その5人はいつも一緒で、星野は雄一を家に連れてきた。 一緒に泊まったこともあるほどだった。 星野の母・いずみ(稲森いずみ)はとても若く、姉のようでもあった。
夏休みに仲間と何かしたいという事になり、旅行に行こうという計画を立てる。 し かし金が無い中学1年生、そこで恐喝か盗みをして金を手に入れる手段を計画していたところ、他の不良学生がターゲットの男に襲いかかり、星野はその金を奪い取り、資金を稼ぐのだった。
沖縄旅行は、美人ガイドを二人も付け豪勢だった。 しかし、その楽しかった旅も、途中で知り合った大学生・高尾旅人(大沢たかお)が事故に遭ったことから、激変してしまった。
そしてを明けた新学期、星野は突然豹変した。 クラスの悪ガキを倒し、飯田と辻井を子分に従え、雄一に万引きなどで得た金を上納させるようになったのだ。 星野のイジメは陰湿な手口で、うっかり雄一が個人的に万引きをして捕まったことから、口止めのため、ゴミ置き場に誘い出し、屈辱の行動を強いるのだった。
雄一の逃げ場 所はもうチャットの中にしかなかったが、星野のイジメの対象は雄一だけに留まらないのだった。 詩織(蒼井優)もまた星野の命令で援助交際させられ、そのあがりを星野に渡していた。 更に、雄一に、見張りのような形で、詩織に着いて行くように指示し、イジメの対象をどんどん追い込み、そして広げていくのだった…

岩井監督の2001年の作品、出ている俳優たちがとにかく若いんですが、体当たりの演技をさせていますね。 主役の市原雄一は今でこそ強い男性役、やんちゃな男性役ですが、今作は180度違って、気弱ないじめられっ子でした。
近作では「星ガ丘ワンダーランドhttp://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13964363.html ではごみ焼却場の職員で、気のいい男でしたが。
またいじめっ子役の星野を演じた忍成修吾は、主役格の作品こそありませんがコンスタントに作品には出ています。 蒼井優はもういっぱしの大女優ですな(^^)
物語は、いじめ事件を主に描いていますが、まったく親も、学校も、アンタッチャブルなんですね。 描いてないだけでなく、万引き、窃盗、狡猾、売春、そして自殺、とうとう最後は殺人にまで行ってしまう破滅的な物語になっています。
チャットの文字がストーリーを引っ張っていますが、どこか陰湿さが最後まで漂うお話。 救いのない世界観が全面に描かれていましたが。

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雄一の逃げ場はチャットの中

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学校で苛められるようになった雄一

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万引きも強いられる

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星野の苛めは陰湿

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彼女もターゲットになる

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