小説家である私(竹内結子)は、読者からの投稿での「怖い話」の募集を呼び掛けていた。 その縁で、嘗ての読者から「怖い話」を実体験として相談されることがある。
彼女のもとに、読者の仮名:久保という女子大生(橋本愛)から住んでいる部屋で奇妙な音がすると記された手紙が届く。
久保さんの話は、一人でいると、隣の部屋から何かを擦る音が聞こえてくるという話だった。 しかし一人でいるはずなのだから、音がするわけがない。 そしてある日、締め切った戸をいきなり開けてみると、一瞬何かが見えた。 それは帯のようなものだった。
久保さんは気になったので、迎えの家や、他の部屋の主婦に、自分の部屋で過去に何かあったかどうかを聞くが、聞いたことが無いという。 さらに不動産屋に行き、事故物件ではないかと聞きに行くが、不動産屋はもし何かがあれば、伝える義務があるが、過去にそういうことはないとはっきり言われた。
数か月後、また久保さんから連絡があった。 この「岡谷マンション」の204号室に住んでいる久保さんだが、ある日隣に3人家族が引っ越してきた。 しかし隣りの主人が、ここは事故物件ではないでしょうねと聞いてきた。 どうも相場よりだいぶ安いというのだった。 しかし彼女は不動産屋にも問い合わせたと言った。 しかしその後その主婦が変な電話に悩まされているというのだった。
そして小説家の“私”がどうもこの久保さんの話が引っ掛かることに気がついた。 そう、この同じ様な話を聞いたことがあるからだった。 過去の投稿を調べてみると、屋嶋という女性から1999年7月に受け取った手紙を見つけた。 既視感の正体はこれだったと気づく。
屋嶋も自宅マンションである401号室の寝室から、時折聞こえる何かが床を掃くような音に悩まされていた。 久保と屋嶋の住所は部屋こそ違えど同じマンションだったため、〈私〉は彼女らが遭遇しているのは同じものなのではないだろうかと考える。
しかし一連の現象は、こんなレベルの話ではなかったのだった…
予告編で見たところ、これは今年最初のちょっと変わったホラー作品だと思い、期待していました。 まあ予告編で大分ネタばらしをしているので、がっかり感はあるんですが、それを踏まえた上でも、ミステリータッチのなかなか面白く怖い作品でした。
事故物件というのは、今は過去に何かあった時はお客に知らせることになっていることはよく聞きますし、一度自殺等があった部屋も、一度お客が入ったら、次の人には知らせる義務が無いという話も。
しかしその部屋というか、マンション全体というのはちょっと根が深いお話ですよね。 主人公の小説家、名前は無く“私”という一人称で話は進んでいきます。 ホラーとかライトノベルを書いているみたいですが、あまりこういう心霊現象は元から信じていない、夫も同じような仕事みたいですが、さらに信じていない。 まあ理屈に合わないことは信じられないというところですね。
だからこそ、だんだんこの怪現象の原因を追究したくなっていくんですね。そして彼女の興味が、久保さんに、編集者の田村、同業の平山にどんどん波及して行くんですね。 しかし正直危険な香りがする半面、のめり込んでしまう魅力も感じる因縁話、過去のとんでもない曰くに繋がっていくんですね。
“残穢”というのは、穢れが残っているという意味ですが、触れてはいけない穢れという物が世の中にはあるんじゃないか? それをちょっとでも感じてしまう人は…というお話ですね。
監督は中村義洋、前作は「予告犯」http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13152031.html 最近では「ちょんまげぷりん」http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13800280.html も見ましたが、今作も充分怖いです。
ただ一つ言うとすれば、ラストがちょっと諄かった。 ホラーチックにしたんでしょうが、サラッと終わった方が良かった感じがしました。 でも怖さの引き出し方がサスペンス調で面白かった。
投稿の手紙を読む私
投稿者の久保さん(仮名)が音を聞く
そして二人で調査を始めるまでに
編集者や、同業の平岡まで加わり
久保さんの後輩たちも