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人生の約束

2016年作品、石橋冠監督、竹野内豊主演。

IT関連企業のCEOを務める中原祐馬(竹野内豊)は、他人に興味を持たず、会社を拡大させること以外には目もくれなかった。 そんな彼の携帯電話に何度も着信が入った。 しかし彼は電話に出ようとはせず、ただひたすら会社の業績拡大に奔走していた。
会社は彼に逆らうことはできない状態だった。 秘書の大場由希子(優香)を従え、部下のお伺いに容赦なく厳しい答えを出していく。
携帯は、3年前に会社を辞めた塩谷航平からだった。 航平は祐馬と一緒に会社を立ち上げ苦楽を共にした仲だった。 しかし3年前意見が対立し、彼が追い出したような形になっていた。
大場が出ないのかと聞くが、こちらには用が無いと冷たく言う祐馬だが、実は大場のところにもかかってきたことを聞き、折り返し掛けると繋がらなかったということを聞いた時、ちょっと心に引っかかった。 居場所がわからない。 しかし大場はもうそのあたりを調べていて、彼は富山にいるということまでわかっていた。
祐馬は仕事をキャンセルして彼の故郷である富山県新湊の四十物町(あいものちょう)に向かった。 しかしそこで、小さいボートに乗って、遺影を持っている少女を見つける。 それを見たとき、祐馬は航平が死んだことを知るのだった。
彼は、直ぐに彼の遺骨が安置されている場所に向かった。 そこは町内会の事務所で、町内会長の西村玄太郎西田敏行)によると、病のために余命わずかとなった航平は最後に曳山につながりたいという思いから15年ぶりに故郷に戻っていたことを聞くのだった。
頭の整理がつかないままに祐馬は線香をあげようとするが、航平の義兄・鉄也(江口洋介)は、会社から航平を追い出し最期の電話にも出ようとしなかった祐馬が、腹に据えかね手を上げようとする。 西村が止めたからそこは事なきを得たが、そこでそこにいる人間は航平と祐馬の関係を知ることになった。
どうして彼は故郷に戻ったのか? 航平の娘・瞳(高橋ひかる)の落ち着いた対応によりその場はおさまったものの、航平に子どもがいたことを初めて知った祐馬は驚かざるを得なかった。
自分にできることはないかと瞳に聞くと、西町から四十物町の曳山を取り返してほしいという答えが返ってくる。
航平は、ある事情から隣の西町に曳山を四十物町を譲ったことに、なんとか約束通り提灯引きをしてもらえるように交渉していたのだった。 その途中彼は倒れ、亡くなった事実を知ったのだった…

石橋監督は、フリーの演出家、代表作は、日本テレビ時代は「池中玄多80キロ」、フリー後はNHKで「新宿鮫」や「黄昏流星群 -恋をもう一度」などを手掛けていて、今回は映画を初監督でした。 池中玄多シリーズは、私がドラマを見て初めて泣いた作品でした。
80歳手前での映画監督デビュー作は、富山県の新港が舞台の物語でした。 IT産業の新進気鋭の若い社長、買収を重ねどんどん会社を大きくする、そして不要な部分は切り捨てていく、激しい手法で、業界の雄にのし上がった中原祐馬、しかし今の会社は実はある強力なパートナーと二人三脚で立ち上げた会社でした。 袂を分かった親友、しかし彼はまたいつか会おうという約束を実はしていたんですね。
しかしそれはお互いの今の生活では叶わぬものになってしまいました。 しかしこの後祐馬にも大きな試練がのしかかってくるんですね。 そこで友が最後に成し遂げたかったある思いを、祐馬はある方法で実現して行きます。
映画人ではない、テレビマンが作ったらしい作品、ちょっと丁寧すぎる描写にも見えますが、きちっとした仕上がりは、丁寧な描写をテレビドラマの世界でしてきた人間だということが解ります。
これを見て、規模は違いますが地元の祭りを大事にしようと思いましたね(^^)

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ワンマン社長の中原、秘書と部下の前で

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新港に来てみると

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亡き航平の娘

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四十物町の町内会長の西村

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西町の会長の武田

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