1983年作品、ジョン・カーペンター監督、キース・ゴードン主演。
1957年、デトロイト。 プリマスの自動車工場で真っ赤なプリマスが完成されようとしていた。 工員がエンジンをチェックしようとした時、ボンネットがひとりでに降りて、工員の腕を激しくうった。 そして車のシートに煙草の灰を落とした別の工員は、死体で発見された。
1972年、カリフォルニア。 デニス(ジョン・ストックウェル)はクラクションを鳴らしアーニー(キース・ゴードン)を待っていた。 母に昼食を貰い2人で学校へ。
アーニーは恋人なんてできないような弱気でひ弱な学生だった。 デニスは怪我がようやく治り、アメフトに復帰しようとしていた。 正反対の二人だが気が合うのだった。
しかしロックブリッジ高校の自動車整備教室で、内気なアー二ーがバディ(ウィリアム・オストランダー)、ムーチー(マルコム・ダネー)、ヴァンデンバーグ(スチュアート・チャーノ)ら不良学生にからまれてしまった。デニスが割って入り、なぐりあいとなり、結局、バディは退学処分になってしまう。。
帰宅途中、アーニーは野ざらしにされているおんぼろプリマス・フューリーを目撃、一目惚れしてしまう。 そこに老人が出てきて、その車はクリスティーンというと話し始める。 そしてアーニーはこれはいくらかとすぐに聞いて、300ドルのところ250ドルと言われ彼は即金で買ってしまう。 デニスが止めたのだが、老人はデニスに対して「お前は車の事を知っているの か?」と謎の問いかけをする。
帰って両親からこっぴどく怒られるアーニー。 アーニーは、ドゥー・イッツ・ユアセルフのダーネル・ガレージにクリスティーンを持って行き、そこで廃車となった車の部品を使わせてもらえるように交渉する。 そしてアーニーはコツコツと車の修理を始め、意外に器用な仕上がりを見せると、そこで雑用をすればアルバイト代も出しても良いと、評価を受けるのだった。
そして車はだんだん仕上がって行くのだった…
冒頭の殺人カーのシーンが、意外にさらっと描かれているんですが、そこをほかの事に気を取られていると、意外に入って行かなくなるこの作品、冒頭にしっかり注意して見るべきですね。
スティーブン・キング原作ですから、じっくりと中盤までの物語が描かれていて、だんだん正体を現していく1958年型プリムス・フューリーがそそられます。
私はあまり車に詳しくないんですが、主人公のアーニーが超おんぼろの車に注目するところは、詳しい人間にはもう自分の魅力を感じ取れる波動を送っているんでしょうね。
名前の通り、車は女性化しています。 真っ赤なボディ、初め一からレストアしていくところはただの整備なんですが、そうしながらなんかアーニーとクリスティーンが愛を育んでいく感じに見えてくるんですね。 そしてひ弱いアーニーが、性格まで変わっていく。
魅入られていく感じがよく出ていました。
自己修理をするシーンは30年以上前の作品ですが、よくできていますね。 そしてラストのオチもなかなか面白く、あのままクリスティーンは死んでしまうのか? というホラー独特のオチもありました。
これは面白い擬人化ホラーですね。