2014年作品、レニー・アブラハムソン監督、ドーナル・グリーソン、マイケル・ファスベンダー出演。
ミュージシャンを目指すジョン(ドーナル・グリーソン)は、キーボード奏者。 でも仕事を持っていて、空いた時間を作曲に費やしている。 正直売れるはずのない曲を。
たまたま海の前にいたときにパトカーが来た。 自殺騒ぎらしい。 その男は今夜ライブを行うバンドのキーボードだった。 そこに近づいてきたのは、バンドのメンバーで、思わず自分はキーボードを弾けると言ってしまうと、今夜弾いて欲しいとお願いされる。
ジョンが加入することになったバンドのリーダーは、常におかしな被り物を装着したフランク(マイケル・ファスベンダー)という男だった。
フランクは奇妙な出で立ちではあるもののメンバーからの信頼を集めており、破天荒でミステリアスな彼にジョンも魅了されていく。 そしてレコーディングをするために、合宿をすることになった。
ドン(スクート・マクネイリー)が見つけて来た家で、練習を始めるが、なかなか納得のいく出来にならない。 その間は、絶対レコーディングに入らないとフランクは言う。
その時もジョンは、必死に作曲を続けているが、ドンが近づいてきて、結局ものにならない曲は無意味だと言われ、自分の作った曲を聴かせる。 それもひどい曲だった。
そんな時、見知らぬ家族がいきなり来た。 ドンがここの家賃を滞納していたのだった。 そこでジョンはおじいさんの遺産をつぎ込み、ここを借り続けようとし、フランクはその家族を言い聞かせ帰らせる。
結局、ジョンの曲は採用されなかったが、なんとかレコーディングは無事にできた。 しかしその間、バンドの動画をジョンは投稿していたのだった。
レコーディングが終わった時、ドンはフランクの被り物をして、自殺をしてしまう。 彼はジョンの前の前のキーボード奏者だった。
そんな時、動画を見たところからオファーが来た。テキサスの大きな新人バンドの大会・人気音楽祭SXSWだった。
しかしそこからフランクが…
公開時に見ようと思っていたこの作品、レニー・アブラハムソン監督作品は初めてでした。 日本公開作品はあまりない監督ですが、公開を切望されている監督みたいですね。
今作は一応コメディという括りなんでしょうか? なかなかこういうシュールな作品で、笑うというのは難しいですし、お話という点では、結構シビアで暗いんですね。
ただ、ずっとお面をかぶっているフランクの行動は、何か途中までは滑稽で、妙な説得力があり、それに従い、信頼をしているバンドメンバーの姿がちょっと面白いかもしれません。 ただそれも、レコーディングが終了するまでの話で、ドンが自殺をしてからは、物語は一転していきます。
一応物語を引っ張っているジョンは、才能が乏しいのに、ひょんなことでバンドに入れられ、フランクに引っ張られ勘違いをしていくんですが、意外に周りは彼を全く見ていない感じなんですね。
彼らはただフランクが好きで、それも今までのジョンが入ってくる前のフランクを労わり合いし、そして何よりも心配しているように感じました。 ただ、フランクは、どうしても成功したい、お面を被った自分ならできるだろうという切ない願いがあったように見えました。
9割方お面をかぶって演じたマイケル・ファスベンダーは、最後に顔を明かしますが、そうならないエンディングも見てみたい気がしました。
どこかに消えて行って、ラストは彼がいないライブ会場、そういう作りもあったのかな? そんな観終わった印象でしたね。
変なバンドと出会ったジョン
そこにはお面を被ったフランクがいた
レコーディングをするための家で
やっとレコーディング終了
そしてあるライブに出ようとするが