anttiorbの映画、映像の世界

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風に立つライオン

2015年作品、三池崇史監督、大沢たかお主演。

2011年4月、石巻、震災の後何も手が付けられていない地に、外国人の男が立っている。 徐に彼は袋を取り出した。 彼が持っていたのはトウモロコシの種。 その時、彼の横で物音がした。
1987年、少年たちが手をつないで、歩いて行く。 姿が見えなくなった丘を越えたあたりで、爆発が起きる。
ケニアの研究施設に長崎大学病院から、2名の医師が派遣されることになる。責任者の村上(石橋蓮司)は、可愛い女医が来ると、そこの医師たちに言うが、そこに現れたのは青木(萩原聖人)一人、それも男。 もう一人は3日後に来た。 島田航一郎(大沢たかお)といい、成田空港に寝坊で遅れたと言う。
しかし彼は、医師としては情熱あふれる男だった。 あだ名は“ミスター大丈夫”、彼は頼まれると何でも引き受けてしまうのだった。 そんな彼のところには、患者がひっきりなしに来るのだった。 ここは研究施設であるのだが、診療も受けているのだ。 どんなきつい宿題を出しても、彼は笑顔とバイタリティーで、熟してしまうのだった。
そんな彼に、ケニア赴任から半年後、現地の赤十字病院からの1ヶ月の派遣要請を受けた。 そこに向かった島田と青木は、次々に運び込まれる重傷を負った少年兵たちの姿に衝撃を受ける。 彼らの仕事は、もうだめになった腕や足を切断することだった。 着いた初日に二人は4人の患者の部位を切断した。 そうしないと亡くなってしまうからだった。
ここに来る患者は、ほとんどスーダンとの国境地域で、戦闘に巻き込まれけがをした者たち、そして少年が多い。 なぜ少年が多いのか?それは麻薬を打たれ、地雷探査に利用されるからだった。
1か月が経ち研究施設に戻された島田は、さすがに元の彼でなかった。 口数が減り、別人になっていた。 見かねた村上が 、マサイ族の集まりに連れて行った。
マサイパークと呼ばれたここは、お客のために宴を開いてくれ、踊りを見せてくれる。 彼らなりの歓迎をし、羊をさばいてくれて振る舞ってくれる。彼はそこで何か吹っ切れたようだった。 次の日の朝、彼は日の出前に起き、地平線に向かって叫んでいた。「がんばれー!」
そして彼は再び施設から、赤十字病院に自分から志願していくのだった。 そしてそこにある女性が、マザーテレサ病院から派遣されてきた。 彼女は、看護師の草野和歌子(石原さとみ)といった。
しかし彼には、日本に思いを寄せていた女性がいるのだった・・・

昨日描いたホーキング博士の作品もそうですが、映画を見ると本当にいろいろ勉強になりますし、自分では決して体験できないことを知ることができます。
この作品は、原作をさだまさしが実際にいた人物をモデルにしているそうです。 時代背景等は少し変えてあるようですが、アフリカの内戦、少年兵の話などは、いまだの内戦の続くところではあることがいろんな報道、そしてそれを扱った映画もあります。
冒頭に石巻に現れる外国人、最後まで見ていると彼が誰かわかるんですが、彼は島田航一郎医師との約束、思いを果たしに来るんですね。
予告編でも流れていますが、「人間とどこまで残酷なことができるんでしょうか?」看護師の草野和歌子のセリフですが、悲しいかなこれも現実なんですね。
でも、一方人間は、こんなにも尊いこともできるのでは? という裏返しの問いにもなっているセリフでもあると思いました。
医師としての活動は、何もアフリカで格闘するだけではなく、もう一人のヒロインの真木よう子演じる秋島貴子の選択にも言えますね。
ベタな作品ですし、さだまさしの歌が正直浮いている(原作者だから仕方ないですが)と思いますが、アフリカで種をまいたことはしっかり生きていることを確信できる作品でした。

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どんな宿題も“大丈夫”でこなす島田

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そして派遣された赤十字の病院

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過酷なところに衝撃を受けた島田に

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しかし彼には日本に思いを寄せた女性が

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彼女もまた医師だった

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現地ではある看護士が派遣されてきた

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