2005年作品、ダン・アイアランド監督、ジョーン・プロウライト主演。
英国ロンドン。 タクシーでクレアモントホテルと言うが、運転手はなかなかわからない感じだった。 初めて行くホテルで、料理がおいしいということだというが。
でも運転手は、このイギリスで料理が上手いなんて、と笑い飛ばすのだった。 その黒人の運転手はなんとかホテルにたどり着いたが、チップを渡すと荷物も運ばずさっさと行ってしまった。
そのホテルは、思った感じと違っていた。 老婦人サラ・パルフリー(ジョーン・プロウライト)は最愛の夫に先立たれ、娘エリザベス(アンナ・カートレット)から自立した生活を送るため、この長期滞在型のホテルに単身やってきたのだ。想像とはかけ離れたホテルに落胆しつつも、支配人(カール・プロクター)から一通り説明を受け、1か月の滞在を確認される。
部屋について一番最初に夫の写真を出すサラ、そしてドレスアップした夫人がダイニングルームへ入ると、滞在客たちが無言のまま注目している。
給仕のヴァイオレット(エマ・パイク)が席に案内してくれるが、なんか田舎クサい娘だ。 愛用のマーマレードを出すと毎朝出してくれると言う。 前菜のスープが来るがあまり美味しくないようだ。 居心地の悪さを感じているところへ、アーバスノット夫人(アンナ・マッセイ)が声をかけてくれる。 そしてここでのルールをいろいろ教えてくれる。
1、ここでは夕食は平服、 2、食後はテレビ室へ行く、 3、そこで心臓が強ければドラマを見る、ドラマは「セックス・アンド・ザ・シティ」だと言う。 刺激を得るためというのだった。
バートン夫人(ジョージナ・ヘイル)も話しかけてきたが、結構おしゃべりだった。
その夜何かさびしいサラは、写真の夫に話しかけるのだった。
翌日、朝食の席で、パルフリー夫人がロンドンに住む孫デズモンドのことを話すと、皆、俄然と興味を示す。 ここでは、訪問客とかかってくる電話が一番の関心事なのだ。
早速、パルフリー夫人は、デズモンド(ローカン・オトゥール)へ電話をかけるが留守電になってしまい、その後も彼から電話がかかってくることはなかった。 誰も訪ねてこない言い訳も底をついた頃、夫人は外出先でつまずいて転倒、偶然それを目にした青年ルードヴィック・メイヤー(ルパート・フレンド)に助けられる。 この出会いがここでのサラの滞在に大きな変化をもたらすのだった…
この作品を観ていたら、イギリスに行ったことのある息子が、なんか当時のことを思い出すと言っていました。
私にはちょっと感じることができませんでしたが、安ホテルに泊まった彼には、なんか懐かしさを感じたんでしょう。
物語は、人生の終盤を迎えたサラのちょっとした人生最後の冒険みたいな感じですね。 期待にそぐわなかったイギリスの滞在型ホテルには、彼女と境遇は違いますが、同じような滞在型のお客が多く、そして彼らも何かを求めてここで半ば暮らしているのでした。
そして彼らは、外からの刺激を求めていました。 息子だったり、娘だったり、孫だったり。
そんな中一番寂しい思いをしていたサラに、なんと素晴らしい孫が現れたのです。 いや彼氏でしたね(^^)この出会いが何とも劇的で可愛い出会いでした。
ジョーン・プロウライトはそんなに見たことが無い女優さんですが、清潔感のある老婦人ですね。 そして何とも可愛く、おしとやかなんですね。 そして相手役のルパート・フレンドも、なんとも優しい“偽孫”を演じていました。
ラストシーンもなんか後ろ髪をひかれる、小粋なラストでした。 悲しいのか? 一応別れの感じなんですが、ちょっとしたかっこよさもあるんですね。
劇的な展開こそありませんが、年のは離れたプラトニックを可愛く見れる作品ですね。
1人でホテルに来たサラ
ホテルで出会った婦人たち
そんな時出会った青年
彼の名はルードヴィック
彼の彼女と3人で