anttiorbの映画、映像の世界

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リスボンに誘われて


ライムント・グレゴリウス(ジェレミー・アイアンズ)は一人暮らし。 チェスをたった一人でやっている。 席を交互に座り直しながら、二役で指している。
もう夜が更けてきた。 そのまま眠りにつき、続きは明日指すつもりらしい。
彼は高校の古典の教師、その日は雨で風が強く吹いていた。 橋に通りかかった時、橋げたに上る一人の女性がいた。 自殺だ! そう思った彼は、必死に傘を飛ばして彼女を抱きかかえた。 鞄から今日の授業の資料が飛び出し散乱した。 女性は赤いコートを着ていたが、大人しくなり、一緒に資料を拾ってくれ、「一緒にいても良いですか?」 と尋ねた。 このままにしておくわけにはいかない。 そう思ったライムントは、教室まで連れて行く、教室の横に座らせ、見学させた。
若い女性を連れてきたのを奇異に見る学生たち。 びしょ濡れのふたりは奇妙だったからという事と、独身のライムントだったので、彼女だと思われたのだった。
資料を配り授業を始めると、しばらくして彼女は教室を出て行ってしまった。 そして窓から見ると彼女は学校を出て行ってしまう。 生徒たちにそのまま続けろと言いの残し、彼は置いて行った赤いコートを持って後を追った。 真っ先に行ったのは、身を投げようとした橋だった。 しかしそこに彼女の姿は無く、下を覗き込んでも何も見えなかった。
コートから一冊の本が出てきた。 そしてその本は彼の行きつけの本屋で買った本だった。 すぐさま、その本屋に行き、彼はこの本を買った人を確認すると、 店主が買って行ったと言う女性は間違いなくさっきの女性だった。
そして本にあるものが挟まっていた。 それはリスボン行の切符だった。 そして15分後に発車する列車だ。 すぐさま彼はベルン駅に向かい、彼女が現れるかもしれないと思い待つのだが、彼女は現れなかった。
そして彼は、その夜行列車に乗り込むのだった。 そして列車の中でその本を読みふけるのだ。 その本の著者はアマデウ・デ・プラド(ジャック・ヒューストン)で、彼の思いをつづった本だったのだ。
ライムントの人生が急転していく…

これはおもしろかったですね。 赤いコートの女、そのコートから出てきた1冊の本、そしてそこに挟まっていた切符、もう一連の事象が、彼をリスボンに引き寄せているとしか思えない展開でした。
そして彼はその夜行列車に飛び乗るところまでを記事にしました。
もう、完全に次がどういう展開になってくるのかわかりません、そして彼はまずこの著者について調べ始めるんですね。
リスボンは言うまでもなくポルトガルの首都で、歴史を感じさせる町並みですね。
ここまでは主人公ライムント役のジェレミー・アイアンズと、赤いコートの女くらいしか出てきません。 あと校長くらいですね。
でもそのあとに、シャーロット・ランプリングブルーノ・ガンツトム・コートネイクリストファー・リーというベテラン俳優陣が登場、そして過去の映像には、メラニー・ロラン、 ジャック・ヒューストン、アウグスト・ディールが登場します。
この作品の素晴らしいところは、過去を探っていくシーンの挿入が小気味いいんですよね。 現在生きている老いた人たちと、過去の若い姿の対比もうまいんですが、挿入の仕方が絶妙なんです。 だからぐいぐい引き込まれていくんですね。
ただの過去をたどっていく物語だけでなく、また一人魅力的なマリアナ役でマルティナ・ゲデックが登場します。
たった一人でリスボンに来てしまったライムントを、なぜか助けてくれて…というなかなかいい役どころの存在でした。
またラストの終わり方も絶妙でした。 こういう余韻を残した綺麗な終わり方は、なかなか邦画で見れませんよね(^^)
またまたギンレイのナイスチョイスの作品でした(G)

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切符を持って駅に来たが

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夜行列車で本を読みふける

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そして著者の妹に会えるのだが

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彼を助けてくれるマリアナ

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この本が語りたいことはなんなのか?

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