マーガレット(エイミー・アダムス)は、急いで荷作りをしている。 横暴な夫のところから出ていくためだ。 娘を連れて夫と別居をはじめた。
遠くカリフォルニアに出てきた彼女は、友人のディーアン(クリステン・リッター)に会い、いろいろ励まされる。
1958年はまだ女性の地位が低く、何事にも男が優位に立っている時代だった。 夫と別居し娘と二人で生きていくことに大きな不安を持っていた彼女は、必死に就職口を見つけ、なんとか得意の絵を描く仕事を見つけるのだった。
そして休みの日は、自分の描いた絵をノースビーチに持っていき、似顔絵を書き小銭を稼ぐのだ。
すると横にいた男性が声をかけてきた。 男はウォルター・キーン(クリフトフ・ヴァルツ)といい、同じように絵を持ってきて自分の風景画を売り込んでいたが、どうにも気をひく絵ではなかった。
ウォルターは、彼女の独特な絵に惹かれ、二人はすぐに食事をする中となった。 彼はパリに行き、そこで絵を勉強し、風景画を主に描いているという。 人は描けない、だから彼女の絵に惹かれるのだと熱く言う。
女で一人で娘を養う心細さと、画に対する思いを熱心に語るウォルターにどんどん惹かれたマーガレットは、彼の求婚をあっさり承諾、あっという間に再婚をしてしまうのだった。
なんとか、彼女の絵を売ろうと思ったウィルターは、まず画廊に画を持っていった。画廊のオーナーのルーベン(ジェイソン・シュワルツマン)はウォルターの絵は鼻にもかけない。 しかしマーガレットの絵には一瞬興味を持つが、美術としては認めようとしない。
困ったウォルターはエンリコ・バンドゥッチ(ジョン・ポリト)の酒場に飾らしてほしいと言い出す。 トイレに行く通路に飾られた絵は、なかなかお客の気を引かない。 ついついバンドウィッチと喧嘩になってしまうが、その写真が新聞に載り、画を見に来る客が増えたのだった。 そして絵が売れ始めた。
マーガレットの絵は売れると確信したウォルターは、積極的に絵を描くようマーガレットに指示をする。 しかし言葉巧みに売り込むうちに、その絵は自分が描いていると言い始めてしまうのだった…
これは実話なんですね。つくづく男運の無いマーガレットという感じはしますが、ウォルターは絵の才能は無くても、商才はあったような気がします。
再婚同士の二人は、画という共通項ではじめは上手くいきますが、画の才能があるのはマーガレットだけ、ウォルターはそれを必死に売ることだけに専念します。 でもたった一つ大きな嘘をついてしまうところからほころびが生じてしまいます。
またマーガレットも、この大きな目の子供絵のモデルは、もともと娘でしたから、娘にも義父が自分の絵を真似て描いていると言ってしまいます。
実在のウィルたー・キーンは晩年惨めな生活をして亡くなっていますが、マーガレットは健在みたいですね。
最後二人は法廷 で戦うことになりますが、ここは非常に滑稽に描かれています。 おそらく脚色されているんでしょうが、あまり殺伐とさせない作りにしているんでしょうかね。
また彼女が自分が描いたと告発することになったきっかけがさらっと描かれています。 まあご覧になるとわかりますが、宗教心からそうなるというところがちょっと理解しづらく思いました。
やっぱりクリフトフ・ヴァルツの熱演が一番印象に残りますね。
独特の絵を描くマーガレット
風景画を描くウォルター
二人はすぐに一緒になる
売れ始めたころ出来上がった画を酒場に持っていく彼女だが
絶頂期、大作を描くマーガレット
しかし夫と決裂、画風も変える