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ジミー、野を駆ける伝説

2014年作品、ケン・ローチ監督、バリー・ウォード主演。
 
1922年から2年にわたって内戦があったアイルランド、1932年、国を分断した悲劇的な内戦終結から10年を経たアイルランド。 アメリカで暮らしていた元活動家のジミー・グラルトン(バリー・ウォード)が、10年ぶりに祖国の地を踏み、リートリム州の故郷に帰って来る。
いち早く向かったのは年老いた母の住んでいる実家だった。 母親アリス(アイリーン・ヘンリー)に10年間も心配をかけていたジミーは、本音はここで母と静かに暮らすことだった。
昔の仲間が集い、彼は当時付き合っていたウーナ(シモーヌ・カービー)にプレゼントを渡すジミー。 もう彼女は結婚して子供もいる。
ジミーはこの州では伝説の男だった。 そして彼が戻ったと聞いて、若い男女が彼の姿を見ようと集まってきた。 自由に憧れている若者たちだった。そして彼らはあるものの復活を願っていた。
かつてジミーは自身が建設したそのホールがあった。 そこは人々が芸術やスポーツを学びながら人生を語らい、歌とダンスに熱中したかけがえのない場所として存在していた。
ジミーは、久しぶりにそこを訪ねて行った。 埃まみれで、何年も閉まったままのホール、久しぶりに窓を開け、ドアを開け放つと、昔の思いが蘇ってきた。 そして沸々とやる気が湧いてくるジミーだった。
しかし一人では何もできない、そして外に出るとなんと昔の仲間が集ってきていた。ホール復活に向けて動き出していた・・・
 
多くの独立運動のある中、これは未だにある意味引きずっている独立問題ですね。
IRAという名前は、過激なテロと結びつく印象が私にはありましたが、この作品中の時代はいわゆる“アイルランド共和軍”で、アイルランド統一を主とした組織ですが、当時強かった教会勢力と、共存共栄をしている感じでした。
それは当時台頭していた共産勢力の脅威からのようです。
作品の視点は、自由な精神を封じ込める教会との戦いを描いていますが、決して共産主義は詠われていません。 自由な考え、自由な行動、閉じ込められた世界からの解放をただ唱えているふうに見えるんですね、ジミーの行動は。
しかしこれが独立運動と相まって、やっと落ち着いたアイルランドを再び波風を立てようとする動きは、徹底して弾圧をするという勢力との戦いになっています。
IRAは近年過激な勢力が現れ、分離したりしてたまにテロを起こしたりしますが、この作品中は、ジミー達はかえって被害者ですね。 旧勢力の弾圧が余計目立ちました。
ケン・ローチ監督作品は「ルート・アイリッシュhttp://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/8404048.html天使の分け前http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/10262324.html と見てきましたが、今回は社会派の作品でした。
 
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帰ってきたジミー
 
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自由を求める者たち
 
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そしてホールを復活させる
 
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ウーナも再び教え始める
 
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ジミーのプレゼントした服を着てホールで踊る二人
 
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ホールは再び活況を取り戻したのだが…
 
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