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幕末高校生

2014年作品、李闘士男監督、玉木宏石原さとみ出演。
 
高校教師・川辺未香子(石原さとみ)は高校3年生を受け持っている。 そして進路相談の時期がやって来た。 彼女は日本史の教師、生徒たちはあまり彼女の授業を聞いていない。 あまり人気のない教師のようだ。
高瀬雅也(柄本時生と森野恵理(川口春奈と沼田慎太郎(千葉雄大)は小中高と一緒だったのだが、ここにきてさすがに進路が別れそうだった。 
沼田慎太郎は母と一緒に3者面談に来た。 彼は成績もよく裕福な家庭にいるので、親は彼を医学部に進ませるのが当然と思っていた。 しかし彼の志望は獣医学部だった。 
聞かされていなかった母は驚き、未香子も成績がいいし、経済的にも問題ないので医者になった方がいいと言うが、そんな未香子の姿に慎太郎は失望する。
日本史のテストの時、雅也はこっそりとスマホカンニングをしていた。 それは 『体感ヒストリー江戸時代』 というアプリだった。 
テストが終わり、未香子が車で帰ろうとしたとき3人と出くわした。 何やら言い合いをしているようだったので、早く帰るよう言った時、雅也がアプリを間違えて触ってしまった。 その瞬間4人と車がその場から消滅した。 そして彼らが言った世界は、1868年幕末の江戸だったのだった。
未香子と雅也は見慣れない格好をしていたので、“アメリカ人=めりけん”と思われ奉行所に引っ立てられた。 何を言っても話にならないので、未香子はうっかりタイムスリップしたと言ったが、そこにいた誰一人訳が分からなかった。 しかしそこにたまたま居合わせた陸軍総裁・勝海舟玉木宏)に引き取られることになった。
1986年の江戸、それは歴史の分岐点の重大な年だった。 薩長軍が江戸に迫り、徳川軍と江戸を戦場に戦をするかという時だったのだ。
歴史では、勝海舟西郷隆盛佐藤浩市)の歴史的会談で、江戸城無血開城がなされることになっているが、4人が行った世界はちょっと違っていた。 勝海舟のライバルには柳田龍三(柄本明)という副総裁がいて、彼が強硬な抗戦派だった。 また、山岡鉄舟により西郷隆盛に届けられる手紙が、そうなってはいないのであった。
勝は二人にそばをおごりながら、話しを聞くのだが、二人をアメリカに行った留学生と思っていた。 時空を超えて来たとは彼さえも信じられなかった。 しかし、彼らが飛んできた場所に行ったその時、車が現れた。 そしてこの時代にはない自動車を見て、さすがに頭の柔らかい彼はすべてを受け入れた。
しかし勝は、未香子の思い描いていた勝と印象が違った。 もしこのまま勝と西郷が合わなかったら、江戸はどうなるのだろうか? 
そして恵理と慎太郎の行方は?・・・
 
眉村卓短編小説 「名残の雪 」を核とした作品で、以前はテレビドラマとしてちょっと違う設定で作られたそうです。
テレビは佐久間象山との出会いを描いているようなので、これはほとんどオリジナルなんでしょうか。 佐久間象山は、あの時代を代表する怪人物で、衝撃的な最期を迎える偉人なので、良くこの手の作品では使われますが、今回はアメリカにあの時代に渡り、幕府随一の改革派、非常に頭の柔らかい人物の勝海舟なので、タイムスリップしてきた者と溶け込むのは必然かもしれません。 でも結構昼行燈の勝の姿、玉木宏が上手く演じていました。 
物語としては肩の凝らないSF作品ですが、私はあるセリフに詰まりましたね。 ちょっとネタバレですが、勝が未香子に言うセリフにこういうのがあるんですよ。「未来は進歩しているんだな?」 「進歩していないのは人間だけなんだな」
どんなに便利なものを発明しても、どんなにそれを使って便利になっても、使う側の人間は進歩していない。 痛烈なメッセージでしたね。
実はもう一つあったんですが、それは見てのお楽しみですね(^^) 絶対見てくださいとは言いませんが、なかなかの良作で、今の世の中これでいいの? そんなことを結構突きつけている作品でしたね。
 
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今まで一緒に進学してきた3人
 
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タイムスリップして怪しい人物として捕まえられた未香子
 
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そこには雅也もいて、奉行から取り調べられるが
 
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 そこを勝に助けられる、しかし・・・

 
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どうもこの時代が少し変化をしていた
 
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