2019年作品、ウラー・サリム監督、ザキ・ユーセフ マハメド・イスマイル・モハメド ラスムス・ビャオウ イマド・アブル・ファウル出演。
コペンハーゲンの中心街。白昼堂々、過激派移民によるテロが発生。 犠牲になったのは罪もないコペンハーゲン市民23名。 モニュメントにはたくさんの花が飾らた。
それから1年後の2025年。 選挙を控えた極右政党“国民英雄党”の党首ノーデル（ラスムス・ビャオウ）は、モニュメント前からカメラに向かって移民排斥を訴える演説を行っていた。 彼の言葉に触発されるように、メディアも移民排除をあおり過熱。 ノーデルの支持率はさらに上がっていく。
19歳のアラブ移民ザカリア（マハメド・イスマイル・モハメド）は、母親（Asil Mohamad Habib）と弟（Ivan Alan Ali）と平和に暮らしていたが、近頃の自分たちに向けられる偏見や憎悪に憤りを感じて、移民たちが集うハッサン（イマド・アブル・ファウル）の家へ出入りするようになっていく。
ハッサンの家でも壁に暴言を書かれたり、豚の頭が置かれたりと嫌がらせは日に日にひどくなっていった。 このヘイトクライムを主導しているのはネオナチ集団“デンマークの息子”。 移民排斥を唱える彼らの過激な行動は移民の者たちの生活を脅かすまでになっていき、それに対抗するかのように移民の中にも過激組織が生まれていく。 そしてザカリアもこの組織でのデンマークの息子に対抗する活動に傾倒していった。
そんなある日、ハッサンに呼び出されたザカリアは、ある計画をもちかけらる。それは、ネオナチたちにも多大な影響を与えているノーデルを暗殺することだった。運転手兼見張り役としてアリ（ザキ・ユーセフ）を紹介され、2人でしばらく山奥にて犯行の準備をするよう命じられた。
母親には現場仕事で数日家を空けると伝え、アリと暗殺計画を入念に立てたり、拳銃を打つ練習を行った。 迷いがないと言えば嘘になるのだが、それでも徐々に覚悟は決まっていく。 それを一番近くで見ていたアリは彼を弟のように慕っていた。
ザカリアが実行することにおいて唯一心がかかりなのが母親と弟の存在だった。 犯行前日。 2人はザカリアの実家へ行き、母親にアリを紹介する。誠実そうなアリを見て「息子が誤った道へ進みそうになったら正してほしい」と言う母親にアリはうなずくしかなかった。
仕事に戻ると伝え、母に別れの挨拶をしたザカリアは、自分に万が一のことが起きればこれが最後の別れとなることを考え、自然に母親を抱く力が強くなった。 その様子を見ていたアリは、ザカリアに「ハッサンにこの仕事を断れ」と言う。 彼の母親に対する深い愛情を見て、組織にいるべき人間ではないと感じたのだったが。
これはちょっと先のお話に設定されていますね。
監督はウラー・サリム、日本で見れる作品は初めてのようですね。
主演はアリ役のザキ・ユーセフ、そしてザカリア役のマハメド・イスマイル・モハメドの二人で、前半部分がイスマイル、後半部分がユーセフという感じですね。
物語は、いきなり爆破テロが起きるコペンハーゲンから始まります。 これから1年後、極右の政党の国民英雄党が、支持を伸ばしていました。 移民排斥を謳う彼は、あらゆる移民がデンマークを壊しているという過激な思想を持っていました。
そんな中、アラブ移民のザカリアは、母と弟の三人暮らし、虐げられているアラブ系を何とか保護している、ハッサンのところに出入りしていました。 そして彼はだんだんとハッサンの考えに傾倒していきます。 それはネオナチ思想の“デンマークの息子“に対抗する計画でした。
今作はちょっと先の未来を描いていますが、ヨーロッパではやはり各国移民に対する見方がやはり右寄りになっているという危機感から生まれた作品に感じます。
日本はまだまだ緩いというか、穏健なのかもしれませんが、トランプ政権然り、世界はやはり極右に向かっているような気がしますね。
アラブ系移民のザカリア
心配する母
党首のノーデル
移民保護をしているハッサン
アリとザカリア
アリはザカリアに止めるよう忠告をするが
