1962年、イライザ・エスポジート(サリー・ホーキンス)は、アメリカ・ボルチモアにある政府機関 「オッカム航空宇宙研究センター」 で清掃員として働いていた。 イライザは幼少期に首に負った怪我が元で声を発することができず、手話をコミュニケーションの手段としていた。 イライザは映画館の上階にあるアパートに住み、ミュージカル映画を観るのが何よりの楽しみだった。 そんな彼女の数少ない理解者は、隣人の画家ジャイルズ(リチャード・ジェンキンス)と、同僚のゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)くらいなのだ。
ある日、研究センターに南米アマゾンで発見・捕獲された半魚人(ダグ・ジョーンズ)が運ばれてきた。 “アセット” と呼ばれるその半魚人は水中でも呼吸ができ、水陸両方で生きられるというのだ。
イライザはプールの中に閉じ込められていたアセットに強い好奇心を抱き始める。 それからというもの、イライザは夜中にこっそりプールに忍び込んではレコードを聴かせたり、ゆで卵を与えたり、手話を教えたりするなどコミュニケーションを図っているうちに次第に愛着が湧き、やがて二人の間には人種の壁を超えた不思議な絆が芽生えていくのだった。
しかしその一方で、研究所を仕切るリチャード・ストリックランド大佐(マイケル・シャノン)と、その上司フランク・ホイト将軍(ニック・サーシー)は将来的な宇宙開発の技術進歩や軍事目的のためにアセットを研究材料にすることを計画してした・・・
これは早く見たかった作品でした。 やはりオスカー取りましたね。
そしてオクタヴィア・スペンサー、彼女はいろんな作品でいい役をしています。 近作は「gifted/ギフテッド」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15258067.html ですね。
そしてアセットにダグ・ジョーンズ、彼は「バイバイマン」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15027196.html でも “バイバイマン” 役でしたね。
物語は喉の怪我で声が出なくなった女性イライザと、アセットと名付けられた半漁人とのロマンスのお話です。 友達も少なく、限られた世界の中で暮らしていたイライザ、前の部屋にいる売れない画家のジャイルズと、同じ清掃員仲間のゼルダしか友達もいません。 でも、私はこの二人こそいてよかったと思います。
しかしそんな生活に、衝撃が起きます。 それは大きな水槽に移された何者かに彼女は興味をひかれるんですね。 そしてその物に、指を2本食いちぎられたリチャード、彼はそのせいか、だんだんとこの生物を敵視していきますが、貴重な謎の実験体であるので、殺すこともできません。
過酷になっていく実験、弱っていく “アセット” を見て彼女は大胆にも、彼の奪取計画を立て実行します。 もちろん協力者はジャイルズであり、最後はゼルダも手を貸してしまうんですが。
これは懐かしい感じがする恋愛作品ですね。 「キングコング」 も、昔の 「半漁人」も、モンスター映画には必ずヒロインがいて、生物の枠を超えた愛の姿が語られていました。
私は子供のころはこういう展開が鬱陶しかったんですが、歳を取ると、逆にただ戦うだけでなくこういう恋愛であったり、ドラマ性が入っていた方がいいと感じるようになりましたね。
まさに今作は純愛映画、怪物と恋をしたんではなく、神に召された感じさえ漂う、愛の物語でした。
自分の世界で生きていたイライザ
ある日何かが運ばれ、血の掃除をさせられる
そして異形な生物を発見する
ゆで卵を与え始める
そして弱り行くその生物を逃がすことにする
まさか掃除婦が盗んだとはしらないリチャード