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利休にたずねよ

2013年作品、山本兼一監督、市川海老蔵主演。
 
利休切腹の日、その日は外は豪雨であった。 千利休市川海老蔵)は妻・宗恩(中谷美紀)と最後の朝を縁側に座って外を眺めていた。 妻は利休にひとつ尋ねたいことがあるといった。 
「あなた様には思い人がいらっしゃったんではないですか?」 外には利休のために、時の天下人・豊臣秀吉大森南朋)が遣わした3000もの兵が取り囲んでいた。 たった一人の茶人の命を奪うために。 千利休とはどんな人物だったのであろうか?
この日から遡ること20年、信長(伊勢谷友介)は値打ちのある物を買うため堺の商人、茶人を集め品定めをした。 様々なものが並べられ、気に入った者には黄金が与えられ、気に入らない物には目もくれない。 そこに遅れてやって来たのは、堺の三大茶人と言われている、千宋易だった。
しかし宋易はまだ早いとぽつりと言うのであった。 ゆっくりと部屋に入る彼は、おごそかに包みをほどくと中から現れたのは、漆塗りのふみ箱のようなものだった。
「は、そのようなものを!」。 茶人たちは、軽蔑したように笑い出すが、宗易は、そのふみ箱を持って立ち上がり、信長の前を通り、部屋の襖を明け放つ。 
藤吉郎を含めた多くの家臣たちがかしづいて居並ぶ。 廊下へ出た宗易は、ふみ箱の蓋を取り、竹筒の水を流し込む。 不思議そうな表情で見ている信長。 宗易は、空を見て、少し箱の向きを変え、そして礼をする。 
信長がふみ箱に近づき、空を見て、ふみ箱を眺める。 「これー!」。信長は、袋の黄金のすべてを三宝にぶちまける。
廊下の藤吉郎は、ふみ箱の中を覗き込む。 漆黒の漆に、左下方の波に、右上方には、幾羽もの千鳥が飛び立つ姿が黄金で描かれている。 その中間に、空に浮かんだ月が水に映ってゆらゆらと揺れている・・・
 
公開初日に行きましたが、映画が始まる前にビデオレターが流されました。 市川海老蔵自身による、御礼と、この作品に描かれる千利休の生涯の簡単なコメントでした。 彼のこの作品にかける意気込みが伝わり、鑑賞する側も身構えました。
私は市川海老蔵の俳優としての可能性は大変興味があり、評価している方なんで、ちょっと期待値は高かったのですが、若い彼なりに及第点ではなかったでしょうか。 でも、確かに60代後半まで演じるにはちょっと若い感が否めなかったです。
織田信長との出会いのシーンのちょっと成り上がった美意識、でも他を圧倒する美に対する感性。 この作品では信長と何か波長の合うところが良く表されていましたが、逆に秀吉とは相性は悪そうだとわかる作りでした。
やはり良く描かれている晩年の政治家のような側面の利休よりも、最後の30分の若いころ、茶人になる前の青春時代の利休が何かすんなり見えましたね。 個人的にはあそこのところをもっと長く観たいところでした。
フィクションかもしれないあの部分が一番惹かれたのは、その分若いころが結構わからない存在だからかもしれませんね。 
中谷美紀も前作「清須会議」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/10587173.html とは全く正反対の妻役で、これもまたぞくっとする演技でした。 まあしっかりとした伝記時代劇でしたね。

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若き日の信長、さっそうと駆け巡る

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月の位置を合わせる宋易

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この茶碗を作ってほしいとお願いする利休

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時代は秀吉の天下となっていく

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利休に寄り添う妻・宋恩

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