anttiorbの映画、映像の世界

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ストレンジャー

2010年作品、ジョン・ドイル監督、コリン・ファースオーランド・ブルーム出演。
 
ノースカロライナ州、ダーラム。 この町は以前はタバコ産業で華やかだった。 しかし今は・・・
すっかり勢いのなくなった町、ここでずっと暮らしている女・メアリー・サウンダース(アンバー・タンブリン)は、ハリス(オーランド・ブルーム)という警察官と付き合っていたが、今は疎遠になりつつある。 ハリスの母(マーゴ・マーティンデイル)は、それでも勉強をして、弁護士を開業と努力するハリスが心配だった。
ジョージアナ(エレン・バースティン)はさびしい一人暮らし、彼女は悩んでいた。 この家を手放すかどうか。  しかし彼女はもう手放さなくてはならない状況だったのだ。 不動産屋に手放すことを話すのだったが、生まれ育ったその家と分かれるのは身を切るより辛かった。
ある夜、とある倉庫にトラックとバンが到着する。 バンから降り立ったのはガス・リロイ(コリン・ファース)。 ガスは二人のメキシコ人労働者に倉庫を見張るよう指示を出す、英語で話しかけられたらわからない振りをしろ、スペイン語で話しかけられたら、俺を呼べ。 そう言って、彼はその場を後にした。
倉庫のオーナーもジョージアナだった。 途方もない孤独感から姪のウィラ(パトリシア・クラークソン)を呼び出していた。 夫を失ったばかりのジョージアナは、孤独でもあった。 ウィラは来る途中倉庫の前を通ったとき、見知らぬメキシコ人が、扉の前でタバコを吸っていたのを見つけ、叔母に問いただすのだった。 
ジョージアナは倉庫を半年間即金で借りていった男がいると言うのだった。 すぐさま中に何があるのか、借主の男リロイに問いただすウィル。 そして倉庫の中には・・・
 
これは結局豪華キャストなのに、劇場公開されなかった作品です。  確かに地味な内容ですね。 でもこの作品は今の日本にはぴったりの、根の深い問題を描いています。
倉庫の中に運び込まれたのは、有害廃棄物としてあらわされています。 実際何なのかまでは触れられていないのですが、やばいものかは最後のガス・リロイの行動でわかります。 さすがに核廃棄物ではないと思いますが・・・・
これを市として受け入れるのならば、いずれは処理工場も造り、雇用もでき、環境の整備する。 これは寂れた自治体には殺し文句ですよね。 
ルロイは環境サービス会社の営業、宣伝なんですが、最後に自分の本心を見せます。 そのときいかに危ないものかがわかるということです。
もちろん物を作るときに、人体によくないものが出ることは多々あることですし、それを改善することがひとつの進歩につながるのですが、なかなか処理できないもの、処理するために危険を伴うものはまだまだあります。
出てきたものは処理し、廃棄しなくてはならない、どこかでやらなきゃならない、人間のジレンマが深く描かれている作品でした。


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弁護士を目指しているハリス、彼が倉庫の荷はなんなのか調べ始める


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結構な前金を払い倉庫を借りに来たガス、始めは喜んでいたジョージアナだが、代わりに彼に聞くウィラ

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不安になり始めるジョージア

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市民にプレゼンをするガス

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