原作はもちろん江戸川乱歩。 佳子は作家なのだが、最近具合が良くない? 作家活動に行き詰っている。 夫の清水昭一郎はなぜか腹話術が趣味? で仲間を集めては芸を披露している。
ある日妻佳子のところに一通の手紙が来る。 それは椅子職人からの手紙で、ある意味罪の告白だった。 自分は椅子職人で、注文を受け椅子を作っているだけの生活だが、自分の作った椅子にどんな人が座るのかを思い想像するのが楽しみになっていた。 その思いが高じてある日自分が椅子自体に入って (椅子に化けてと言った方がいいのかもしれないが) 実際に人(女のひと)を座らせてみたいと強く思うようになってしまった。
そしてその男が入った椅子はホテルに運び込まれ、ラウンジに置かれ様々な外国の貴婦人に座られたという告白の手紙だった。 手紙はその後も届き次第にその内容に引かれていく。 手紙にはもしかすると自分の据わっている椅子にその男が入っているかもしれないという話も書かれており (実際には入っていないのだが)、ついにはその椅子職人に会いに行くまでになってしまう。 手紙のおかげでだんだん精気を取り戻していく佳子。 なぜか夫はその姿に喜びを感じている。・・・・
一種独特のエロティシズムを感じさせる作品ですね。 最近老け役が似合うようになった國村さんですが、このあたりは結構男としての精気を感じさせますね。
少し狂気を感じさせる役ですが、「富江・最終章」 での父親の演技と少し被る感じがしました。
ここでも富江の虜になっていく父親役を演じています。 昭一郎の操る腹話術の人形がリアルで、ちょっと不気味でした。