マイケル・エツオ・イガラシ<元在日アメリカ軍司令>(ミッキー・カーチス)は日経の記者のダニエル・ニシオカ(中野裕太)の取材を受けている。 遠い昔、日本の大戦の終結前夜の事だ。 マッカーサーがつぶやいた一言 「父の遺産はどこだ?」。
一緒に会いに出てきたのは涼子の婚約者の後藤(塩谷瞬)だった。 付き添いで涼子の父の荘一郎(北見敏之)も来ている。 しかし祖父庄造(八名信夫)の様態が急変し、そのまま息を引き取った。 妻の久枝(八千草薫)は遺言により密葬を行うという。 生前の写真を決めようとアルバムを見ていると久枝が昔の話をし始めた。 「石碑に本当は私の名前も刻まれるはずだった。」
そしてそこにもう一人呼ばれた男がいた。 東部軍経理部・主計中尉の小泉重雄(福士誠治)、そして二人の護衛役として、座間五百一連隊・曹長の望月庄造(中村獅童)が集められた。 その任務とは、山下将軍が奪取した900億円(現在の貨幣価値で約200兆円)ものマッカーサーの財宝を、秘密裡に陸軍工場へ移送し隠匿せよというものだった。
その財宝は、敗戦を悟った阿南らが祖国復興を託した軍資金であった。 阿南はもうすでに敗戦を悟っていた。 しかし軍内部では本土決戦を叫ぶ者も多く、これは極秘に行わなくてはならないのだった。
そしてこの任務に駆り出されるのが、勤労動員として20名の少女達、そうまだ女学生だった久枝たちと、野口教諭だったのだった…
浅田次郎原作の映画化です。 阿南大臣など、実在の人物を描きながら、大きなスケールの話に情感をがこもった作品となっていました。 マッカーサーの財宝などあったのでしょうか? フィクションでしょうが、戦後に急速なる復興を遂げた日本を見ると、本当にあって、実はそれが原資となったのではと思わせるに十分な話ですね。
何も知らずに駆り出された女学生たちの最期は、さすがに涙が出るところです。 お国のために、知ってはいけないことを知ってしまった、あまりにも可憐で、純粋な女学生たち、そしてただ一人生き残ってしまった久枝、現在と、過去を行き来しながら描かれる作品は、ただの反戦映画ではなく、しっかりと次の世代に何を残せばよいのかを描いた作品でした。
今秋、「人類資金」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/10474775.html という作品が上映されますが、ちょっと似たような設定なんでしょうか? あちらはサスペンスっぽいのですが、さて?…
重要な役目のために集められた3人
それは戦後を見据えた、大きな資金に関することだった
そして何も知らずに作業を手伝わされる女学生たち
彼女たちを引率する野口先生
3人はおのおのの役目のため行動に移る
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