anttiorbの映画、映像の世界

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ラ・ジュテ

1962年作品、クリス・マルケル監督、エレーヌ・シャトラン、ジャック・ルドー、ダフォ・アニシ出演。

ある男(ジャック・ルドー)は少年期にオルリー空港で見た暴力的な出来事の記憶に憑りつかれていた。 それは第三次世界大戦が勃発する数年前のことだった。
男が少年だったある日曜日にオルリー空港に見学に行くと突然轟音がし、人々が逃げまどう。 その時送迎台にいた一人の男性が死んだ瞬間を少年は目撃したのだ。あの時見た送迎台とそこにいた戦争前の平和な女の顔を、男は一度も忘れたことがなかった。
空港での出来事から程なくしてパリは崩壊する。 多数の死者が出て、勝利者を名乗る者は生存者を捕虜にし、地下で暮らしていた。 街は放射能により居住不可能になってしまうのだった。
勝利者たちは捕虜を実験台にし、過去と未来への時間旅行を研究していた。 多くの実験は失敗し、実験台は死ぬか錯乱する。
ある日実験台としてあの男が選ばれ、科学者は人類が滅亡しないよう時間を操作すると男に説明する。 時間に穴を開け被験者を送り、薬や燃料を持帰ると言うのだ。 過去と未来を繋ぎ現在を救うのが目的となるのだが…

ちょっと貴重な? 作品が放送されたので、いい機会なんで見てみました。 SFの短編という位置づけだと思いますが、ほぼ全編ストップモーション、ただ一瞬だけ動くシーンがあるのが面白いんですよね。
監督はクリス・マルケル、私は映像作品を観るのは初めてですが、長編、短編の作品一覧を見ると、日本を題材にした作品も多く、ドキュメンタリー作品でも何かちょっと違う作風と言われていますね。
今作では重要な女性役でエレーヌ・シャトランが出演していますが、彼女は女優だったんでしょうか? 出演作はこの1本だけみたいですが、何か凄い存在感を醸し出していて、優しさ、愁いを持った美形ですね。
物語というか作品自体30分の作品、静止画を組み合わせ、ナレーションで進行していきます。 舞台は近未来、1962年といえば冷戦が始まり、世界はいつ核戦争が起こるのかという緊張の時代ですね。 だからこその作品で、フランスが舞台ですが、すぐに地下世界になって行きます。
放射能汚染された地球に住むには地下しかない。 生き残った人間は勝った側という言われ方をしていますが、こうなっては勝ちも負けもありませんね。
そして考えたのは、時間旅行をして、薬や燃料を持ってくるという発想でした。 しかしここで面白いのは、時間を移動するという事は、その人間の精神に多大な影響を及ぼし、それに絶えうる人間でないとダメという事ですね。
見て行くうちに、どこかで見た設定、お話でと感じられます。 そうこれは 「12モンキーズ」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/10516730.html なんですね。 この設定が取り入れられあの作品ができたと言われています。
サクッと集中できる30分、映画作りってこういうもんでもあるんですね。

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少年が幼いころ見た情景

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第三次世界大戦が起こり人間は地下に

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そして男が過去に送り込まれ

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彼女と出会う

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いつもいきなり現われ、消えていく男

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しかし彼女は彼を受け入れるのだが

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