anttiorbの映画、映像の世界

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いつも心はジャイアント

2016年作品、ヨハネス・ニホーム監督、クリスティアンアンドレン主演。

ペタンクの練習に余念がない一人の小柄な男。 彼の名前はリカルド(クリスティアンアンドレン)、生まれつき頭骨が変形する難病を抱えているのだった。 父親がわからず、母は精神を病んで別の施設におり、会うこともできない彼は、障害者の施設で生活をしている。
差別を受けつらい日々が続く中、彼は自分が巨大化した不思議な世界を空想していっていた。 そんなリカルドの人生がペタンクという球技と出会ったことから一変しているのだった。 親友のローランド(ヨハン・シレーン)とはペタンクでコンビを組んでいる。 そしてここスウェーデンのペタンクチームで、プロなのはこの二人。 そして北欧チャンピオンを目指しているのだった。
しかしそんなある日、いつもの練習場で事故が起きてしまう。 視界が悪く、人よりも目が不自由なリカルドが、他の投げた金属球が頭に当たってしまい昏倒してしまったのだった。 すぐに病院に運ばれるリカルド、しばらく意識が戻らなかったが、やがて目を覚ました彼は、点滴を外し強引に退院しようとする。
そんな時、ペタンクの団体が会合をもった。 しかし会長から衝撃的な話があった。今回のリカルドの怪我の事で、何かあった時には団体は責任を終えないという事で、リカルドの出場を見合わせると言ったのだった。 怒りと悲しみで退席するリカルド、そして誰よりも彼の気持ちを理解しているローランドもそれを追った。
北欧選手権に掛けていた二人は、個人でのエントリーをして出場することを決めるのだった…

「ペタンク」 という競技は、実は地元でもやっている年輩の方がいるし、「HERO」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13285707.html の中でもこの競技が出てくるので、知っている方もいるかもしれませんが、日本ではなじみが薄いかもしれませんね。
監督はヨハネス・ニホーム、今作が長編デビュー作というスウェーデンの監督です。そして主演のリカルド役はクリスティアンアンドレン、これは特殊メイクであるらしいのですが、何も考えずに見たら本当のドキュメンタリーに見えてしまいます。 また、私設に一緒にいるキャストは、実際の障害を持っている人たちが多く混じっていると思われます。
しかしこれはファンタジーでもあります。 巨人となったリカルドが、荒野を、大地を、そして街を歩いて行く姿、彼が意識を失っているとき、眠っているときに見る夢なんですが、このシーンがあるからドキュメンタリーではないんだと実感できます。
作品中バケモノ扱いをされたり、称賛を浴びたり、彼にとっては毎日が嵐のような人生に感じれるんですね。 しかしそんななか、彼の唯一と言っていいくらいの友であり、理解者がローランドなんですね。 父のような、兄貴のような、風貌からはちょっと想像できないような大きな愛を持ったおじさんでしたね。
でもリカルドはどうして巨人になった空想をするのか? それは彼が本当に求めている人に会いたいが故なんですね。
最近、上映開始の1番初回に行くと、簡単な取材を受けますが、私の答えはこの作品は 「母への思慕」 に包まれていると答えました。

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巨人になった夢を見るリカルド

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しかし事故に遭い入院

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そしてペタンクが彼の生きがい

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誕生日を仲間が祝ってくれる

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そしてローランドと大会にエントリーする

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